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ポチくんの憂鬱-7

「そっかそっかぁ。最初だったらよくあることかなぁ。俺は経験ないけど」 喉奥で奏でられる笑い声の振動が鼓膜へ直に伝わってくる。 「そのコとはまだ続いてるの?」 「ぅぅ……別れましたぁ、それが原因で」 「今、彼女は?」 「いなぃです……」 「じゃあオナニーで処理してるんだ。最近シた?」 耳殻をなぞられてコリコリと解される。 太腿に宛がわれた掌はハーフパンツの裾をめくり上げたのみで、それ以上の動きは見せていない。 「ネタ、教えてよ」 「あ、あの」 「パソコンか携帯のエロ動画がオカズ? どんな内容?」 「や、やめてくださぃ」 「どんなシチュエーションが好き? やっぱり学園モノ? 実はOL系? ポチ君、年上が好きなんだもんねぇ。本番はデスク? それとも革張りのソファの上? 大きいの突っ込まれてアンアン喘がされてたでしょ。着衣系? ストッキング、ビリビリみたいな?」 耳を弄られ、太腿を撫でられ、卑猥な話をされて。 それだけで凪はすでに……勃っていた。 緊張や不安はあったが蜩がここぞとばかりにつくり出す猥褻な雰囲気に中てられて、健全なる十代男子高校生、成す術もなく感じざるをえなかった。 「勃ってるね」 ハーフパンツを心なしか持ち上げる股座の熱にとっくに気づいていた蜩は、敢えて指摘し、凪をさらなる羞恥に突き落とす。 「高校生だもんねぇ。直接触らなくてもおっ立っちゃうよねぇ」 「……」 「何か言ってよ、ポチ君。こっち見てごらん」 真っ赤になった凪は、俯いていた顔を上げ、隣に座る蜩を見やった。 蜩は捕食者の顔で笑っていた。 「やっぱカワイイわ、ポチ君」 そう言って半開きの唇にキスしてきた。 同時に、太腿に宛がうだけだった手をスライドさせて股座の中心へと伸ばす。 先程より強めに耳朶を捏ね繰り回しながら。 「んぁ……ふ……ぅ……ぁ……っ」 上向かされて唇を覆うように口づけられた。 滑る舌が上下の唇裏を、粘膜上を、傲慢にねっとり犯す。 縮こまる凪の舌先を誘い出すと唾液を絡ませて水音をわざとらしく鳴らし、濃密な縺れ合いを求めてくる。 ハーフパンツを脱がせるわけでもなく、裾から侵入した手はボクサーパンツの上から火照りを宿しかけの性器に触れてきた。 全然知らない人なのに、今日会ったばかりなのに。

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