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I fall into you-4

「居ても立ってもいられないって、ああいうの、指すんだろうなぁ」 テーブルに全部の指輪を並べ終えた六華は四つん這いになってシンジのすぐそばにやってきた。 フードをかぶったまま、衣擦れの音を存分に立て、シンジに跨ってくる。 「なんかすげぇ……しんちゃんにくっつきたくなったんだわ」 コーヒーカップを手にしたままのシンジを兄とは異なるはっきりした二重の双眸で間近に見下ろして。 六華は年上の恋人にキスをした。 フードから食み出た派手な色合いの髪の先が頬に触れて、くすぐったい。 目を閉じたシンジはコーヒーカップを一先ず床に下ろし、手探りで六華のフードを外すと、今日一日を終えてしんなりした髪に五指を滑り込ませた。 コーヒーで軽く火傷した舌の疼きを加速させるみたいに六華の舌が絡みついてくる。 それほど変わらない体格なので正直重たいが、苦ではない、むしろ大歓迎だ。 今は口内の感触に直向きに溺れていたくてシンジは目を閉じたままでいた。 ジャケットがやたらがさごそと音を立てる。 甘えられて、過保護なくらい、甘やかしてやる。 時折小さく洩れる六華の声が堪らない。 「ン……っぅ……」 長い髪を好きなだけ弄って、そのまま、耳元を伝って首筋を撫でたら。 「っ、つめてぇ!」 シンジは思わず目を開けた。 シンジの白い手を払い除け、自分の手で首筋を覆った六華が真正面でぶるぶるしていた。 「あ……ごめん……そんな冷たかった?」 唇を満遍なく濡らした六華はちょっと睨むようにしてシンジに笑いかけた。 「見んじゃねぇよ」 「見たら駄目なの?」 「見んな」 六華は笑いながらジャケットをやっと脱ぎ捨てた。

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