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I fall into you-8
「綾人」
黒埼に深奥まで抉じ開けられて迸りそうになる嬌声を必死で堪えていた綾人は目を開けた。
黒い革張りのソファの上、明々とした蛍光灯の光の下。
上着だけ脱いだ黒埼はほぼ手つかずの黒髪で一重眼の鋭さをほんの僅かながら和らげて、綾人を見下ろしていた。
「呼んでみただけだ」
そう呟いてから束の間弱めていた抽挿を一気に強める。
綾人の両膝をぐっと掴み直し、音を立て、肉壁の密集した中心をペニスで激しく挿し貫く。
「ぁぁぁ……っや……!」
「奥、いいんだろ?」
「あ……っいい……です、そこ……っ黒埼さんの、擦れて……ふぁ……っ」
「声、我慢するんじゃねぇ、綾人」
ああ、また。
綾人は濡れ切った双眸でレンズ越しに黒埼を見つめた。
後孔のずっと深み、内壁の窄まりで執拗に動いている彼の熱を痛感するのと同時に、胸の底も苦しいくらい熱くなる。
「い、や……名前……呼ばないで……」
「なんで。六華は呼んでんじゃねぇか」
筋張った長い五指が頬に添えられた。
綾人はぞくりと身震いする。
「綾人」
低めの、少しだけ熱に浮かされた声色の呼号。
理性がみるみる解れてしまいそうな、甘い毒じみた興奮に全身を犯される。
「やめ……」
突き入れた杭をぐずぐずに溶かしてしまいそうなくらい綾人の熱が上昇した。
思わず眉根を寄せた黒埼は、ほんの一瞬、迷う。
このまま上り詰めるか、まだ先延ばしにしてもっと綾人を味わうか。
黒埼は即座に決断した。
「あっあっあ…………!!」
押し開いていた綾人の両足を閉じさせると、腰を掴んで固定し、速度を全開にして叩きつけた。
「あっもぉ……っだめ…………!!!!」
黒埼の熱い飛沫を肉の狭間に浴びて、綾人も、自身の肌に白濁した雫を飛散させた……。
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