11 / 30

高校生編 第10話

 甘い香りを吸い込むと、くらりと軽い眩暈がした。心臓が早鐘のように打つ。血液が沸騰したように、全身が熱を持ち始める。 「こ……にぃ……からだ……おかしい…………」  紘一を掴んでいた指先に力がこもる。  荒い息づかいの蒼を床に横たえ、唇を重ねた。  オメガの発情は、抑制剤を飲むか、アルファの精を胎内に受けないと静まらない。今の蒼を楽にする方法として、その後者を紘一は選択したのだ。  自分の好きな相手が、目の前で発情しているのに、それに目をつむることはアルファの本能が許さなかった。  啄むような口づけから、貪るように深く舌を絡ませあう。角度を変え、何度も口づけながら、蒼の制服のボタンを外すと、胸に手を這わせ突起を指で捏ねる。 「ッン……あぁ……」  蒼の腰が跳ねた。制服のズボンに徐々にシミをつくる。後ろも分泌液が溢れているのか、前も後ろもシミが広がっていた。 「も……や……あ、……ほしい……はやく」  性欲に支配された蒼は、焦点の合わない瞳で紘一に懇願する。自ら腰を浮かせると、下着と一緒にズボンを脱ぎ捨てる。  更に濃くなった香りに、紘一の僅かに残っていた自制心は打ち砕かれた。  蒼の脚を開き、その間に身体を割り込ませると、秘部に骨ばった指を挿し入れる。中の粘膜をぐるりとなぞるように動かすと、蒼が甲高く啼いた。 「あ、あ、………ンァ……」  一点を執拗に攻め続け、指を増やし、更に攻めた。先走りの汁がお腹に垂れ、それが腰を伝い床に落ちた時、一気に指を引き抜いた。  紘一は逸る気持ちを落ち着かせるため、一度深呼吸をする。  ベルトを外し、ズボンのジッパーを引き下げる音がやけに耳に生々しく響く。隆起した雄が下着を押し上げ、脈打っていた。  その頃、翔太は校門の近くで、八歳年上で番の芹沢(せりざわ)優斗(ゆうと)と、どこかぎこちなく会話をしていた。  そこに、血相を変えた高瀬が、汗だくで息を切らして走ってきた。 「おい!! 佐久間探したぞ! 大変だ。オメガの匂いが!」 「場所はどこです!?」 「二年三組だ」 「え?」  つい数十分前に、生徒会長の結城紘一と別れたのが二年生の階だ。  嫌な予感がした――。  

ともだちにシェアしよう!