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第7話
「7 、ちょっと待ってくれ」
「何だよ?」
「お前、足大丈夫か? さっきのロボットの弾が当たったんじゃないか?」
「……別に。掠っただけだよ。こんなの大したことない」
「いや、ダメだろ。それじゃいざって時に走れない」
4 は7 の前に回り込み、ひょいと彼を背負った。自分と同じくらいの体格だから、体重もほぼ同じくらいだった。あまり重いとは思わなかった。
「ちょっと何するんだよ。こんなことしたら、あんただって走れないじゃないか」
「だったら、走る必要ないルートを教えてくれよ。ロボットの巡回路を避けて帰ればいいんだろ?」
「それはそうだけど……」
「さ、どっちに行けばいいんだ? このまま真っ直ぐ歩いて行っていいのか?」
「……ゆっくりめに真っ直ぐ歩いて、角を右に曲がるんだ。ロボットの速度と歩くスピードを同じにしないとすぐ追いついちゃうから、気をつけなよ」
「そうか。ありがとう」
4 は7 の指示通り、ゆっくりめに歩いて角を右に曲がった。遠回りだったけれど、これ以降一度もロボットと遭遇せずに済んだ。
(7 がいてよかった~……)
彼がいなかったら、また警告を受けていたかもしれない。いや、それどころか先程のロボットに射殺されていた可能性が高いのだ。その意味では、7 は命の恩人とも言える。
「本当にありがとうな、7 」
と、背中の彼に声をかけたら、彼はムスッとした口調で呟いた。
「……それはさっきも聞いたよ」
このちょっと照れ屋なところも、7 の可愛いところなのだ。
***
寮に戻り、4 はまず医務室に行った。
7 は嫌がったけれど、かまわず医務室の救急箱を拝借し、彼の傷口の手当てをした。7 の言う通り、銃弾が掠っただけだったので、さほどの傷ではなかった。銃口も思ったより小さかったため、ごく浅い掠り傷で済んだようだ。
「……お節介だね、あんたは」
傷口にガーゼを貼っていると、7 が呆れた口調で言った。
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