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仕事だから。

アイツの超~高そうな、マンションに到着して「開けて」とオートロックを解除してもらう。 とりあえず、飲み物とプリンを買ってきた。 部屋に入る前に玄関のインターフォンを 「ピンポーン」鳴らすとすぐに内側から解除される。 「おじゃましまーす。ダイ!起きてるのか!」 廊下を歩き、その先にある、リビングにいくと毛布を被った、ダイがソファーに座ってた。 「起きてて、平気なのか?」多分背中に向かって話す。 「大丈夫……」 「鼻声?」 ……泣いてたからか鼻声が凄い。 「だって……だって……」「ん?」 「俺……コンナ……サイテイ……」 そう。コイツは一生懸命アイドルをしてる。 仕事。として。 テレビやコンサートを楽しみにしてるファンを大切にしてる。だから、こんなふうに体調でやすんだり、キャンセルしたりするのを、とてつもなく嫌がる。そして。申し訳ない。と。。。。 「インフルエンザの予防接種もうけたし、マスクもしてたし、手洗い、うがいも。予防してたのに、なったのはもう。しょうがないよ。 だから……ゆっくり休め!って事だよ。」 いくら言っても気休めにもならないのは知ってる。けど、コイツが頑張ってるのは知ってたから。 「ウン……ゥ……ぅ……でも……みんなに申し訳ないょ。俺……本当」……グス……グス 「ん。わかってるよ。」 膝を抱えて、ティッシュで鼻をグスグスしながら話すダイをこちらへ寄せて、背中をポンポンする。 「だから、ちゃんと治そうな。」 「ゥン……」 やっと。落ち着いてきたようで。

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