大分、よくなった。 あれから結局、２日寝込んだ。 熱が下がらず、病院に一度連れていった。 芸能人だからか、ちょっと違う部屋に通された。いや。行き付けなのか、先生も看護師さんも特になんでもないように、淡々と処置をしてくれた。 「インフルエンザだけど、気管支炎も弱ってるかな」 「１週間でなおらないと。……」先生に言われた言葉にぼーぜんとして、泣きそうだった。 帰りの車の中でも苦しそうな顔をして、ﾊｧﾊｧ言ってた。 それから、倒れこむようにベッドに行くとｸﾞｽｸﾞｽ言いながら、「絶対治す」といきこんでけど……やっぱりだめだった。 １週間後にコンサートがあったのは、不運でしかないかも。 「大丈夫！！出れるから！」そんな怒鳴り声を電話に向かって話してたけど。マネージャーさん、事務所はいいとは言わなかった。 でれば、確実に無理をするのは見えてたから…… 「ファンの方々には残念だけど……」 「なら！出せよ」 いつもは温厚だし、そんな言葉も使わないけど そして、俺にも当たり散らしてきた。 「俺の気持ちなんかわからないでしょ？どんだけ大変だかなんて。」そう言われたら言葉もでない。 仕事なんだから……なんて言葉でかたずけるには重圧がありすぎる。 「ゆっくり休めよ。」そんな気休めしか言えない自分の無力さに呆れながら部屋をあとにした。 その後正式に事務所からコンサートへの出演を見合せる発表があり、そしてメンバーも会見を開いた。 正直メンバーの会見は必要か？と思ってたけど、日本のトップアイドルの勢いは凄かった。 そして、これを見るダイはどんな気分なんだろ……心配せずにはいられなかった。 連絡しようか？どうしようか。 発表を見た。いいや。会見を見た。とかなんとかしようか。と悩んでたら…… 「アッ。俺わかるかな？マネージャーから連絡先勝手に聞いちゃったんだけど。」なんと、それこそとんでもない人から連絡がきた。 「あっ。もしかして安西さん？」 「そう。いやーわかって嬉しいわ。」 ダイの事務所の先輩でアイツが尊敬してる人だ。