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腕の中の君に。

開けた、玄関からダイが抱きついてきた。 「おっと!」びっくりした。転んでキズでもつくったら大変だ。 「……ゴメンナサイ……」小さい声で謝って 「嫌われたと思って。」カギ置いていくから 「ごめんな。カギ。忘れてったんだよ。」 「えっ。本当」腕の中から顔を上げて 「本当に?怒ってないの?」 「いや。俺のほうこそ。。。力になれないし。。。」情けないないや…… 呟くと 「ううん。俺の方こそ。ゴメンね。八つ当たりした。」 そんなの…… 「安西さんから連絡もらって」話しをしながらリビングに移動して。 「心配してたよ。」頭を撫でる。いとおしい。 「うん。……心配して、連絡くれたんだけど。 俺、孔の事でいっぱいいっぱいで。したら連絡するからって言ってくれて。」 「うん。」 「嫌われた。もうダメだ。って。」少しはにかみながら話す。 腕の中に抱きしめて、離すことなんてないのに……バカだな。不安にさせちゃったな。 「ゴメンね。」謝ってばかりのコイツ。 「……もう。いいよ。謝らなくて」 そんな言葉を聞きたいんじゃないんだ。 「早く体調治そうな。」 「うん。」 もう。コイツの中では切り替えができたんだろう。仕事の事を言っても落ち着いてる。 「もう、遅いから寝ろ。な。」 顔を見つめると、俯いて「一緒に寝たい。」 って。 「熱ないし。ちゃんとマスクするから。」 必死に、お願いって。されても。 「……いや。俺が……我慢できないから。」 だってそうだろ?こんないとおしい人が腕の中で寝てたら、我慢なんて無理でしょ。 「クックッ。孔。。ダメだよ。俺具合悪いんだから」そう言うコイツは…… チュッ!って頬にキスをしてきた。 「優しくできる?」何を聞く? 「優しく抱いてね。俺。声出せないからね。」 ね。ね。 優しく微笑んで。 「ベッド。連れてって。」首に腕を回してくる。

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