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電話をしても反応がなく一先ず留守電を残して自宅マンションを目指していた麻貴だったが。
「琉真」
エントランス前で待っていた男子高校生に目を見張らせた。
駆け寄って、じっとり汗をかいている、久し振りに会う年下の恋人に想像以上の昂揚感を覚えた。
「暑かったろ?」
風見のセクハラに猛烈に苛立って回答を聞く前に店を飛び出していた琉真は年上の恋人と向かい合った。
いろいろ聞きたかった。
枕営業しているのか。
生まれながらにゲスっぽい風見のどこがよかったのか。
「何か食べたか?」
でも、いざ麻貴を目の前にすると膨れ上がっていたはずの疑問は速やかに萎んで、ただただ久しぶりの逢瀬が嬉しくなった。
琉真は斜め下を向いて「仕事おつかれさま」と呟いた。
かなり嬉しいときの彼の癖を目の当たりにした麻貴は、クタクタだった心身が一瞬で蘇生した、そんな心地になった。
「麻貴さん、ここ、玄関だけど」
「待てない、今すぐ、琉真」
「大丈夫……疲れてない……?」
働きっぱなしで疲れているだろうと思っていた麻貴に玄関前でのしかかられた琉真は二の足を踏んでいた。
気遣う年下の恋人に癒され……むしろ滾った麻貴。
まだスニーカーも脱いでいない彼に革靴を脱ぎ捨てて跨る。
無造作に互いの下肢の服を緩めて、狂おしい熱帯夜に理性を溶かされた動物みたいに、欲した……。
「どすけべでごめん」
ワンルームの出入り口で仰向けになった琉真はスニーカーを履いたままだった。
自分に大胆に跨った、唾液で雑に濡らしたペニスを我が身に咥え込んだ麻貴を息苦しそうに見上げていた。
火照った頬を滴り落ちていく汗。
それまで忘れていた、首元を締めつけるネクタイを億劫そうに解いてストライプシャツの第一ボタンを外した指。
もどかしげに揺れる腰。
熱を孕んだ空気にピクピクと跳ねるペニス。
「こんなオトナ、軽蔑するか……?」
一気に発情した麻貴に琉真は見惚れた。
自分の真上で小刻みに揺れ動く体、汗ばむ太腿に両手を添え、気遣いも忘れて年下ペニスを打ちつけた。
「あ……っ深ぃ……」
麻貴は弓なりに背中を反らして天井を仰いだ。
後孔奥でさらに硬くなっていく昂ぶりに尻膣を抉じ開けられ、掻き回されて、ワイシャツがぴったり張りついた背筋をゾクゾクさせた。
「ッ……しない、軽蔑なんか……」
双丘をぐ、と掴まれる。
満遍なく発熱しきったペニスが何度も何度も出入りする。
「は……っ」
「ん……ッ……もっと知りたい……麻貴さんのこと……俺に教えて……?」
この間まで童貞だったとは思えない激しい抽挿に麻貴はじわりと涙した。
「待っ……琉真、ちょ……もうちょっとゆっくり……ッ」
「む、り……ッ先に麻貴さんが、俺に乗っかってくるから……ッむり……ッ」
真下から勢い任せに突き上げられた。
あっという間に迫りつつある絶頂に年下ペニスがものものしげに怒張した。
「っ……仕方ない、な……っ琉真……いいよ、このまま……ッん……ッ……」
はしたなく笑った麻貴は尻膣を行き来する昂ぶりを軸にして腰を捻り回した。
絶妙な摩擦に琉真は低く呻吟する。
ド雄めいた唸り声に心臓を鷲掴みにされてより締まる肉孔。
せり上がる射精感にビクビクと武者震いした年下ペニス。
「いく……ッッッ」
「っ、っ、っ……あ……琉真……」
「はーーー……ッはーーー……ッあ、まだ……っ……ん……ッ」
「あ……っっ……ぅ……っっ」
ビクリ、ビクリ、解放の悦びに痙攣するペニスをしぶとく打ち込まれ、最後の一滴までしっかり注ぎ込まれた。
年下恋人の絶頂を胎内で存分に噛み締めた麻貴はゆっくり上体を倒していく。
無防備に喘ぐ琉真に軽いキスを落とす。
全身から惜しみなく発せられる熱気を一身に受け止める。
「……まき、さ……」
「俺のこともいかせて」
汗と先走りで濡れたペニスをそっと握らせてみれば、最初はぎこちなく、次第に熱心に動き始めた琉真の利き手。
「ん……っっ」
「きもちいい……? 麻貴さん、いきそう……?」
「ん、いきそ……りゅう、ま……っ」
他人に教えてもらう必要ない。
これから麻貴さん自身に教えてもらえばいい。
終わった過去よりこれから続く俺と麻貴さんの明日に集中しよう。
……なんか一瞬、琉真から覚えのある香水の匂いがしたような……?
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