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琉真は目を見開かせた。 あれだけ一心不乱に動いていた利き手がピタリと停止した。 どうしよう。 振り向けない。 こんな恥ずかしいところを見られるなんて。 し、しにたい……。 「琉真」 琉真の褐色背がビクリと震えた。 すぐ背後で聞こえた熱もつ呼びかけに耳朶が火傷しそうになった。 「麻貴さ、ん」 「俺を放置するなよ」 「っ……放置してるのは麻貴さんだし、俺は、そんなこと」 「俺のウチでひとりでお楽しみ中か?」 行き場に迷っていた利き手に、おもむろに重なった、手。 「俺もまじっていーかな、琉真……?」 ネクタイは剥いで、腕捲りしたワイシャツはそのまま、ズボンとソックスは脱いでボクサーパンツのみという格好の麻貴は琉真の背中に密着した。 「高校生の、元気いっぱいなやつ、かわいがらせて……?」 部屋の主に止められていつの間に止んでいたシャワー。 お湯と、先走りで濡れていたペニスに、乾いた五指が絡む。 隆々と屹立した昂ぶりを優しく撫で擦る。 「あ、ぅ」 「ん……かわい……きもちいーんだ……? こーんな、かたくしちゃってさ……ガチガチじゃん……脈打ってるし……?」 麻貴さん、いつもより、なんかえろい。 酔ってるから……? 「先っぽだって、すげー膨らませて……昨日の夜トイレでヌいた割にはギンギンだな」 「ッ……知ってたの、麻貴さん」 カリ首から上の剥けた部分が掌に包み込まれる。 同時に根元の双球をもう一つの掌に揉み転がされる。 経験はそれなりに積んでいる年上リーマンのテクニックに長けた愛撫に年下高校生は速やかに追い上げられていく。 「あ……もう、ぱんっぱん……琉真、濃くて白いヤツだしちゃう……?」 卑猥な言い回しをする唇に多少覚える苛立ち、それを遥かに上回る明け透けな興奮。 「いいよ……? 俺の手でいっぱいきもちよくなってよ……ほら……?」 「あ……っほんと……もぉ、で……っ」 「いっちゃえよ、ほら……ほら……」 「あ……っぅ……っきもちい……麻貴さんの手、すごぃ……っあ……っ、っ、っ……!!」 ほんと、かわいすぎ、琉真の奴。 それに比べて、俺って、ゲス。 酔ってなんかいないし、さ。 そりゃあ飲みはしたけど、日を跨がないクリーンな飲み会、至って余裕で通常運転なんです……。

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