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緊縛_2
「……鷲さんの肌が恋しくなりましたよ」
と、昨日の夜も熱く触れ合った肌へと手を伸ばしてくる。
黒斗に求められる事が嬉しく、そのまま絡み合おうと首に腕を回したのだが、
「着物を乱して貴方を縛ったら、どんなに色っぽいんでしょうね」
欲を含んだ目を向けながら、そんな事を口にする。
黒斗にもっと欲情してもらいたい。そんな気持ちが鷲の中に生まれ、そして口にポロリとでる。
「黒斗が望むならしても……」
「良いんですか!」
くい気味のセリフに、すぐに黒斗の頬が真っ赤に染まる。
「あ、あの、別にそういうプレイが好きとか、そういう訳では」
「そっか、そんなに俺の事を縛りたかったのか」
慌てる黒斗が可愛いくて、からかうようにそう言えば、
「鷲さんの淫らな姿、とても色っぽいだろうなと思いまして」
こちらまで恥ずかしくなるような事を言われて、互いに互いの手をぎゅっと握りしめる。
「まったく。見なければよかったって後悔しても知らないよ」
箪笥の引き出しから縄を取り出す。これは倉庫の中にあったもので、久野が見つけて面白がって鷲に渡したものだ。
まさかここで役に立つことになろうとは思わなかった。
「何で持っているんです?」
「ん、何でだろうね」
説明しようもないのでそこは軽く流して、ノートパソコンをネットにつなぎ縛り方を調べる。
「えっと、どれにしようか」
マウスを動かしスクロールしていると、黒斗が画面を指さした。
「これ、理非知らず、はどうでしょうか」
「どれどれ……」
「江戸時代からあるらしいですよ」
四十八手の一つで、両手、両足を縛り自由を奪う。
「この縛り方だと、俺にされるがままですね」
「黒斗」
ニィと口角を上げて縄を手にする黒斗に、鷲は着物の帯を緩める。
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