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緊縛_4 ※
体にくっきりと残る縄の痕に、黒斗がすみませんと項垂れている。
「何、君のせいじゃないよ」
「ですが」
「藤に泣きつかれようが本当は緊縛なんてやりたくない。でも、一緒にいた保が、欲を含んだ目で芳親を見つめたとしたら、自分の姿に興奮してくれるのではないかと思って、願いを聞くんじゃないかな」
「鷲さん、それって」
「縛られている姿に興奮して、いつもよりもギラギラした雄の目を向けられ、芳親もいつも以上に乱れたんだ」
頬を撫で、そして言葉を続ける。
「そんな恋人の姿を見たら、俺も我慢できないかったんだよ」
だからお互い様だよと言って、黒斗に一緒にシャワーを浴びようと誘えば、嬉しそうに頷いて鷲を抱き上げる。
「わぁっ、お姫様抱っこしてくれるの?」
「はい。つかまっていてくださいね」
そういわれ、首に腕を回した。
シャワーをただ浴びるだけという訳にはいかなかった。
「んぁ、くろとっ」
中のものを掻き出す指が、鷲の良い所をかすめる。
「あぁ、鷲さんの良い所に触ってしまいましたか? ここ、いや、ここかな」
「あぁんっ、解ってる、くせに」
わざとかすめるよに触れ、鷲の身体を煽る。
「鷲さんが、ちゃんと言ってくれないとわかりません」
指がもう一本中へとはいり、ばらばらに動かされて腰が震える。
「くろと、いじわる、しないで」
「どうして欲しんです?」
かぷっと耳を噛み、舌が蠢く。
「ん、あぁっ、くろとの、が、ほしいィ」
「わかりました」
指が抜かれ、太く熱いモノがはいりこむ。
これだ。彼の形を覚えた中は喜びに震え、離さないとばかりにしめつける。
「あぁっ、鷲さん、すごい」
乱れながら互いに欲を放ちあう。
「はぁ、流石に、疲れた……」
壁に額をつけて息を吐き、中から黒斗のモノが抜けていく。
とろりと流れ落ちた蜜はシャワーで丁寧に洗い流され、そして再び指が中のものを掻き出す。
「んっ、俺の中はすっかり君を覚えてしまったようだな」
「鷲さん、今、そんな事を言われると困ります」
流石にもう無理をさせられませんしね、と、指を抜いて綺麗に身体を洗ってくれた。
「ごめんな。黒斗が満足するまで付き合ってあげられなくて」
「何を言っているんですか。俺は一緒にいられるだけで幸せですし、今日は別の鷲さんを見れて嬉しかったですよ」
先にシャワーを終え、体を拭くとバスローブを身に着けてリビングへと向かう。
身体は怠いが、身体が情事後の余韻を残している間に書いてしまいたい。
着物を身に着け、ノートパソコンを開きキーを打ち始める。
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