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カワイイ系だって攻めたいンです-2

「よ、よぉ、呂海」 「しょしょしょしょ、翔李クン」 バレンタインデー本番、昼下がりに繁華街の片隅で落ち合った呂海と翔李。 「キャップとか珍しくね」 「あっ、これは……その、えっと、変装っていうか」 「お前なら女装した方が効果あんじゃねぇの」 確かにキャップでもかぶって顔を少しでも隠さないと、性能の悪い監視カメラでも未成年であることがモロバレしそうな呂海は翔李にからかわれて赤くなった。 すぐに赤くなる呂海のほっぺたに、正直、翔李はずっと触れたいと思っていた。 出会ったのは半年前、互いの想いを伝え合ったのは数か月前。 キスを何回かした程度で性的な行いには一度も及んでいない。 隣をちんたら歩く、自分より背が低くて華奢で中学生みたいな呂海をチラリと見下ろし、翔李は、反対側の手にぶら下げているドラッグストアの袋にどぎまぎした。 「ホ、ホテル、こっちだよ」 ぎくしゃくした足取りで繁華街を抜け、通行人の行き来がぐっと減る裏通りに出、静まり返った如何わしいお店を何軒か素通りし、目的のラブホへ到着。 事前に念入りにリサーチしていた呂海は挙動不審ながらも無人受付で部屋を選んで、始終うつむきがち、エレベーターへそそくさ移動して、カップルと擦れ違うこともなく、リーズナブルな一般ルームへ。 「わあああ」 やっとの思いで辿り着いた部屋、特大ベッドに出迎えられた呂海はつい感嘆の声を上げた。 呂海の背後に立った翔李も内心、ベッド広ぇ、と目を奪われた。 「……翔李クン……」 くるりと呂海が振り返った。 ずっと目深にかぶっていたキャップが外されて、ねこっけがふわり。 とうとう、この瞬間が、来た。 「オレ……その……初めてで……」 「……俺だって初めてだよ」 ふ、服っていつ脱がすんだ、今脱がすのか? それとも呂海が脱ぐのを待てばいーのか? 「お前が初めての相手で……俺、嬉しい、から」 ついそっぽを向きながらも翔李が素直にそう伝えれば呂海はぱああああっと顔を輝かせた。 「っ……オレも! 翔李クン、好き……!」 どさり!! 「へっ?」 「翔李クンっ、翔李クン……! ほんっとカッコいい……!」 ぶちゅっ!! 「んんんんッ!?」 いきなりベッドに全力で押し倒されたかと思えば呂海に乗っかられて、キスされて。 これまで照れくさい余り長くて三秒が限界だった、自分が及んできたキスとはまるで違うソレに、翔李は目を見開かせた。 呂海はすぐに舌を突っ込んできた。 耳まで真っ赤になってどっきんどっきん緊張しながらも、興奮が勝って、翔李の色味が強い唇に夢中になった。 「んーーーーーーっ!?」 な、なんだコレ、呂海の奴、なんでこんなキス知ってんだ? つぅかふざけんな。 なんで俺が下なんだ。 カワイイ、守ってやんなきゃいけねぇ健気な呂海になんで押し倒されてんだ!? 不良プライドは総崩れ、不満はいっぱいある翔李だったが。 「んっんっ……翔李クン……んーーーっ……!」 まるで発情期の小型犬みたいに連続ちゅっちゅしてくる呂海に押されてしまう。 実際、初めての濃厚キスに頭がグラグラするくらい発熱して、口内で生じる柔な刺激に体の芯がビリビリして。 「ンン……ッ……ふ……ぅ……ッ」 吊り目にじわりと涙まで滲ませて感じてしまう……。

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