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ふぇち★フェチ!-1

「フラれちゃいましたぁ」 学食でオムライスランチを食べながら松島はかる~いカンジで友達に報告した。 「三ヶ月前に合コンで知り合ったコ? 看護学校の?」 「へ? まりんちゃん? とっくに別れたよ? 俺が今言ってんのは先月知り合った女子大英文科のヨッスィーのことですけど?」 「こいつダメだわ」 「今年入って二人付き合って、二人からフラれるって、お前に原因あるでしょ」 「三人ですけど?」 「まっくん、やっぱダメだわ」 午後一の講義を前にしてキャンパスに鳴り渡る予鈴。 友達とのおしゃべりで聞き逃して余裕ぶっこいている松島の背後へ一人の男子学生が歩み寄った。 「松島」 「お、伊織ぃ、おいーっす」 「次、地域生活環境学、B号館」 松島と同じ学部学科で履修講義も結構だぶっている伊織はそれだけ言うとトレイを持ってカウンターへ去って行った。 残っていたオムライスをかっ込む松島に友達は首を傾げる。 「まっくんと伊織が仲いいの、不思議だわ」 首を傾げる友達にバイバイしてカウンターにトレイを戻し、出入り口のところで待っていた伊織といっしょに松島は学食を後にした。 「松島、また彼女と別れたの?」 「うん、今朝ね、そんなところ」 「そう」 「だーかーらー、伊織、今日は朝まで付き合ってちょ」 月に2、3回は二人で飲みに行く松島(まつしま)と伊織(いおり)。 松島も含めて周囲がバイトしているのに対し、実家暮らしの伊織はバイトをしていない、なので一番時間が合うのだ。 伊織って、あいつら曰く無口で冷めてて近寄りがたいイメージらしいけど。 俺からするとノートコピらせてくれる、レポート手伝ってくれる、割り勘しようとして小銭レベルの差額が発生したらその分必ず払ってくれる。 「いつも日付が変わる前に潰れるくせに」 何気にけっこー居心地よかったりすんだよね。 大手チェーンの居酒屋で三時間飲み放題を終えた松島と伊織。 「ドンキで酒買って俺んちで飲み直そ~」 ずっとへらへらふわふわしている松島の代わりに伊織が彼好みのチューハイをごろごろ買い、コンビニでオツマミを買い、二人は新築アパートへ。 相変らずこきたない松島のワンルーム。 伊織が片づけようとしたら「そんままでいいって!飲もうって!」と酒を進められて定位置となっている座椅子に座った。 「しっかしまりんちゃん冷たいわぁ」 「今朝別れたの、ヨッスィじゃ?」 「あ、そーだった、まりんちゃんとはとっくに別れてましたぁ」 弱いくせに飲みたがるタチの悪い松島。 普通レベルの伊織は季節限定のチューハイをゆっくり飲んでいる。 「なにそれ!か~わ~い~い~!俺にもちょーだい?」 「松島が飲んでるのといっしょだけど」 「あれあれあれ~?ほんとだ~」 ベッドに腰掛けて飲んでいた松島はへらへら笑ってぐちゃぐちゃ布団の上に倒れ込んだ。 「ヨッスィーのにおいがするー」 「……今朝、ここで別れた?」 「んーそー」 「もしかして、さっきみたいに名前間違えて?」 「お~さすが伊織きゅん、冷めてるね~」 「冴えてる、ね」 布団の中に頭を突っ込んでくんかくんかしていた松島だが。 「ぬおお!?」 奇声を上げたかと思うと布団からずぼっと顔を出した。 その手には。 「ヨッスィーのストッキングとったどー!!」 「……それ、どういうこと?ヨッスィが忘れてったの?」 「スカートもとったどー!!」 「ちょっと待って、意味わかんない、下に何も履かずに?出て行ったの?ヨッスィってどんなコ?」 ちなみにヨッスィーは下半身パンツ一丁で部屋を飛び出して行ったわけじゃあない。 松島のスウェットを履いて就寝した彼女、朝のおめざに別の名前で呼ばれて激おこ……いや、カム着火し、別れる宣言を叩きつけてそのまま部屋を飛び出した、というわけだ。 「ヨッスィーの太腿~太腿~」 足フェチの酔っ払い松島がストッキングに頬擦りしている姿に伊織は肩を竦めた。 元カノのストッキングとミニなフレアスカートを両腕に抱いて悦に入っていた松島だが。 床に投げ出された伊織のカーゴパンツ足をまじまじと見下ろしていたかと思えば。 「伊織きゅん、お願いがありまーす」

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