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『四つ目も甘かったね』 『ンっ……ぜんぶ……甘かったです……』 あまーーーーーいバレンタインデー後日の夜から一ヶ月が過ぎようとしていた。 一晩、いや、数えきれない夜をかけて十歳も年下の高二男子を甘やかすことを浅海は決意し、それから二人の仲に進展があったかと言うと。 「浅海君、テスター用の業務シナリオ作成、よろしく」 企業を支えるITコンシェルジュサービスを主に展開する情報システム株式会社で、システムエンジニアとして勤務している浅海は、ソフト開発の納期に追われていた。 三月に入ってからまひると会う時間もつくれずにいた。 つまり進展どころではなかった。 まひる君、現役高校生だし、あの容姿だし。 どう考えても、おモテになる、よな。 愛想つかされたらどうしよう。 別の誰かとくっついて、捨てられたら、どうしよう。 ……まひる君はそんなことしないって、わかってる。 ……もしも、そうさせた場合は、放置した俺に責任がある。 「浅海君、派遣のコ達用のマニュアル作成もよろしく、スクショましましで」 ……会いたいよ、まひる君。

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