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「あっっっ」
まひるは我慢できずに声を上げた。
「あ、浅海さ……っ……ぁ……ぁ……っ」
ソファに深く腰かけた眼鏡リーマンのお膝に向かい合ってお座りしている男子高校生。
捲り上げられたセーターとシャツ。
外気に露出した、つやつやぷるんな十代乳首。
片方ヒイキすることなく左右交互に平等に注がれる浅海のキス。
「ん、ん、ん……っ……ん……っ」
どちらもびっしょり濡れるくらい口づけられて、まひるは喉を反らした。
目立たない喉骨がピクピク震える。
お腹の底の方がじんわり熱くなる。
「やっっ」
ちゅっと、音を立てて吸われると恥ずかしさの余り甘苦しい刺激をつい拒んだ。
「……嫌だった?」
当てもなく室内に巡らせていた視線をたどたどしく下ろしていけば。
ぺちゃんこな胸に顔を埋め、眼鏡越しに上目遣いに自分を見つめる浅海とバッチリ目が合った。
「ごめんね」
「ううん、違、違うから……オレ……」
「嫌じゃない……?」
浅海はか弱げに震える黒目がちな双眸を見つめたまま濡れそぼった乳首を舐め上げた。
「ぁっ、ん……っ」
紛うことなき嬌声を零して従順に感じている男子高校生に眼鏡リーマンは心身共に束縛されっぱなしだった。
まだ高校生だし、そう頻繁に外泊させたら、家の人が心配するかもしれない。
理性はそう案じつつも。
どうしよう、手離せない。
まひるくんのこと手離したくない。
本能はまひるを求める。
「まひる君のココって。きれいな色してるよね」
「ぇっ……? ぁっ……」
「俺、すごく好きだな……見た目もだけど、食感も」
自分で特に意識したこともない乳首をベタ褒めされて、鼓膜が火傷するんじゃないかと、まひるは思った。
「あっ……浅海さん、そんなこと……言わないで……」
今にも溢れそうなくらい双眸に涙を溜め込んだまひるの、本日まだ一度も触れていない下肢へ、浅海はチラリと目をやった。
まひるは、意味深に移動した彼の視線を追って、自分の現状を思い知らされる羽目に。
「……」
いつの間に屹立していた我が身。
「ごめんなさ……」
「どうして謝るの? 感じてくれて俺は純粋に嬉しいよ?」
浅海にだけすんなり反応する体に焦燥し、まひるは俯いた。
「あの、浅海さん……オレ……」
無理強いだけはしたくない。
浅海は、中断もやむをえないと、乱していた制服を整えようと手を伸ばした。
「もっとオレに触れてもらえますか……?」
中途半端な位置でぴたりと止まった両手。
まひるは指通りのよさそうな黒髪を虚空にサラリと靡かせて浅海を見つめ返した。
「オレ、浅海さんの好きにされたい……」
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