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まひるは限界まで仰け反った。 向かい合って座っていた先程までの位置と異なり、浅海に背中を預け、後ろから抱きしめられるような恰好で。 下の制服まで乱されて。 たっぷりキスされてすっかり過敏になった乳首と、取り出された熱源を、同時に愛撫されていた。 「んっっっ……!」 程なくして迸った絶頂の雫。 浅海の腕の中でビクリと跳ねた薄い体。 「はぁっ、はぁっ……ぁ、ぅ……っ……ぅ……」 まひるの絶頂を全身で感じ取った浅海は思わずため息をついた。 吐精へ導くことができた満足感、この腕の中にずっといてほしいなんて独占欲がぶわりと高まる。 何だかまひる君中毒になりそうだ。 そばにあったティッシュで彼の粗相を拭い、浅海は、まだ呼吸が荒いまひるを後ろから緩やかなハグで包み込んだ。 「んっ……浅海さ……ん……」 あーあ、帰したくない、お泊まりさせたい。 ずっとここにいてほしい。 「まひる君、一時間くらい休憩したら、帰ろうか」 「ぇ……」 「タクシー代は気にしなくていいから」 まだネクタイをしたままの浅海に帰宅を促され、まひるは、ぎこちなく顔を上げた。 「でも、オレ……」 「君はまだ高校生だし。もうすぐ春休みだろうから、そのとき遊びにおいで」 「……」 「寝て休んでもいいし、冷蔵庫のミネラルウォーターとか、好きに飲んでいいから」 「浅海さん……?」 いやに早口で告げたかと思うとソファから立ち上がり、足早にトイレへ向かおうとした浅海であったが。 「行かないでっ」 大きな声で引き留めてきたまひるに驚いた。 ぎゅっっ まひるは、乱れた制服姿のまま形振り構わず浅海の片腕にしがみついた。 「浅海さん……たってる」 さすがにバレたか。 あれだけ密着していれば当然バレるよな。 「うん……ごめんね」 「どうして謝るの」 「……」 「浅海さん、さっき、そう言いました。オレだって同じ気持ちです」 「まひる君」 「行かないで、ここにいて……お願い……お願いします」 分別ある年上の男ぶってる俺が情けなく思えてきた。 まひる君はこんなにも本音を伝えてくれているのに。

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