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5-6
甘やかなキスを惜しみなく捧げられた。
「ふ……ぁ……」
最初は天然イチゴ色の唇に。
想いの丈を注ぎ込まれるように、深く、ゆっくり、深く。
「ふ」
名残惜しげに下唇を食まれた後、頤 から首筋へ、鎖骨を通り過ぎて。
つやつやぷるんな十代乳首まで。
細やかに、じっくり、ヤラシク。
コリコリと硬くなるまでキスされた。
「浅海、さ……っ」
湯船の中で浅海の膝上に抱っこされていたまひるは薄明るい天井を仰いだ。
「今日、いつもより綺麗な色してる」
乳首の色を褒められると、小っ恥ずかしいのに、お腹の底がジンジンと疼いた。
「いつもよりおいしい」
「っ……やめ……っ……ぁ……っ」
すっかり芯を帯びてツンと尖った突起を甘噛みされた。
やや強めの刺激にヒリヒリしていたところを労わるような舌遣いで満遍なく舐められて。
唾液を纏って温む乳首を指と指で挟み込まれ、小刻みにしごかれて、もっとコリっコリにさせられた。
「ねぇ、ここの温泉の効能知ってる?」
唐突な問いかけ。
潤んでいた黒目がちの双眸は頻りに瞬きする。
「感度増幅、いつもよりヤラシクなるんだってさ」
……そんなことあるわけない……。
「パンフレットで読みました……そんなこと、どこにも書いてなかった……疲労回復とかリウマチに効くって……」
「でも、ほら」
浅海の目線を追い、すでに勃ち上がって湯面から控え目に先端が出ちゃっている熱源が視界に入り、まひるは閉口してしまう。
おもむろに浅海の五指が絡みついてきた。
ソフトな愛撫で、にぎ、にぎ、された。
「あっ……」
「もうこんなに硬くなってる」
ぱしゃ、ぱしゃ、今度はお湯が跳ねるくらい上下に愛撫された。
「ん、ん、ん……っ」
温泉の熱さ、華奢な体を駆け巡るヤラシイ火照りに頭がクラクラしてくる。
逆上せてしまいそうだ。
「まひる君、立てる?」
浅海は自分に身を預けていたまひるを湯船から立ち上がらせた。
縁が幅広い檜風呂の角に座るよう導かれ、なされるがまま座り、まひるは真後ろの壁に背中を預ける。
すると。
湯船に半身を浸からせたままの浅海は無防備だった両足を優しくも大胆に開かせた。
「あ……」
両足まで縁に乗り上がった格好になり、ほぼほぼまさかのM字開脚状態、羞恥心がぶわりと頭を擡げて。
反射的に両手で股間を隠した。
浅海は恥ずかしがるまひるを無視して強引に先へ進めることもなく。
「見せて?」
柔和におねだりした。
髪を掻き上げた、見慣れないヘアスタイルの浅海に上目遣いにお願いされて、ぺちゃんこな胸を容易く撃ち貫かれて、まひるは……ぎこちなく手を退かす。
時間をかけて、恋人の指にほどけていった、まひるへの入り口。
「ん……」
そしてまた今日、浅海自身の唾液で濡れそぼった中指が粘膜ひしめき合うナカを訪れた。
「んっ」
最初はやっぱり恥ずかしくて堪らずに項垂れていたが。
入り口を緩々と拡げられて。
何度か前後に浅く抽挿され、肉圧がいくらか緩んできたところで、焦らない手つきでゆっっっくりと貫かれて。
「っ……っ……っ……あっ……んっ……」
まひるは我慢できずに嬌声を零した。
熱源の先がお湯以外の何かにじわりと濡れたような気がした。
「ぁっっ」
二本目の指が後孔に潜り込んできた。
窮屈な内部がまた拡がる。
第二関節まで呑み込まされて、秘められた性感帯を指先でやんわり小突かれて、それはそれは丁寧に解されて。
「ぁっ、ぁっ、ぁっ、ぁっ」
声が止まらなくなった。
「痛くない?」
「んんっ……痛く、な……っ……っ」
「きもちいい?」
「ゃっ……ソコ……」
「ココがイイの……?」
ちょこっと強めにグリグリされてまひるは堪らず仰け反った。
「っ……っ……浅海さ、ぁん……」
涙ながらに名前を呼ばれて居ても立ってもいられなくなった浅海はまひるにキスした。
十歳も年下の恋人に改めて夢中になった。
「ふっ……っ……ん、ん、ん、ん……ん~~~……っ」
もどかしそうにピクピクしていた熱源を掌でリズミカルに撫で擦り、後孔内で悩ましげに指を動かす。
前と後ろを同時にいぢられて。
まひるはあっという間に上り詰めた。
密に重なり合う唇の狭間から切なげな悲鳴を滲ませ、絶頂の雫を飛散させた……。
「浅海さん……」
まひるは、つい、吹き出してしまう。
不埒な長湯で眼鏡レンズを真っ白に曇らせた浅海も失笑した。
「ごめんなさい、約束してたのに笑っちゃいました」
「そんなに楽しそうに笑ってくれるんなら、いくらでも約束破っていいよ」
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