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「伊月くん、えーと」
「大丈夫」
「え。何が?」
「いろいろネットで調べて勉強したから」
ちょっと待って、伊月くん、どこまで及ぶつもりだ?
「ごほっ」
「っ、悪化したらアレだし、今日は安静にしてた方がさ、」
う、わぁ。
弱ってるイケメン高校生クンにじっと見つめられたらこんなにも心臓に悪いのか。
「風邪うつるかも。うつったらごめん」
マスクの下の肌は上気していて、いつもより血色よく見えた。
綺麗な目もしっとり潤んで普段にはない色気に満ちていて。
「ん……」
伊月に頬擦りされて葉一は耳までまっかにした。
喉奥で紡がれた小さな声に鼓動が加速した。
サラサラした髪が頬に触れてくすぐったい、でもヒンヤリしていて、気持ちがいい。
間近にすると些細な息遣いまで聞こえてきて耳たぶまで緊張するような。
ていうか、おれ、やっぱりコッチ側……? 受け身? ど、どうすりゃいーの?
「い、伊月くん」
ボーダーシャツが捲れて覗いた腹を繊細な手になでなでされた。
「お腹。あったかい」
ぷに、とつままれる。
「それ……くすぐったいよ」
「かわいい。お腹」
「腹かわいいとか初めて言われたよ……太ってるってこと?」
「ううん」
「あ、ちょっと……」
さらに捲り上げられて特に出てもいないお腹が露出されていく。
ソファとローテーブルの間、ラグの上で仰向けになってどうしようと逡巡している葉一の肌身を伊月は繁々と見つめた。
「葉一くんのお腹」
しばし両手で撫でて柔らかな質感を掌で確かめてみる。
時に咳をしつつお腹にも頬擦りしてみる。
「ふっ……くすぐったい……」
本当に純粋にくすぐったくてつい笑った葉一に伊月は凛と煌めく目を瞬かせた。
マスクを顎の下にずらす。
微熱で湿った唇をお腹に押し当て、ちゅっと吸い上げてみる。
「ぅ」
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ
「ふ……っぅ……」
くすぐったいんだけど。
何だかじれったい。
やばい。
こんなことしてくる伊月くんがかわいくて仕方ない。
ちゅっ、ちゅっ、かぷ、かぷ
「っ……腹、噛まないで、伊月くん」
かぷ、かぷ、かぷ、かぷ
「~~~っ……くすぐったい、から……っ」
やばいやばい、猛烈にじれたい。
腹っていうより、腹の下がジンジンしてきた……。
がぶっっ
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