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「やっぱり休みの日は多いなぁ」 週末の昼下がり、葉一の運転で連れて行ってもらった高速道路のサービスエリアは家族向けの遊具施設やら産直販売所などが併設されていて大賑わいだった。 だだっ広いながらも一段と混み合うフードコートでギリギリ確保したスペース。 件のカレーうどんを啜る葉一を前に、伊月も、ずるずる啜ってみる。 普通かな。 そもそも、おれ、特にうどん派ってわけでもないし。 『えっ。えーと。うどんが一番好き』 『あ。おれも。じゃあうどん食べよ』 あれは葉一くんに合わせて言ったことだから。 ラーメンでもそばでも、葉一くんが好きって言ったら、それが好きだって言うつもりだったから。 「やっぱりおいしい!」 いきなりテンションの上がった葉一に伊月はキョトンした。 「うどんのコシもカレーのとろみも最高、やっぱりここが一番!」 鼻の先が赤い、運転中ずっとつけていたマスクを顎の下にずらした葉一は笑顔のままカレーうどんをずるずるずるずる。 『風邪。うつっちゃうかな……』 『ぅぅっ、ぅぅっ……もう、いいよ……っおれにうつしてっ……』 先週、粘膜過剰接触において風邪をうつされて週明けは微熱と咳に悩まされながらも出勤し、薬を服用して症状は次第に落ち着き、日曜日、葉一は約束通りお気に入りの一品を伊月にご馳走してくれた。 ダウンジャケットをしっかり着込んでカレーうどんに夢中になっている葉一を前に、内心首を傾げつつ、伊月は彼の大好物を再び口にしてみる。 あれ。 ほんとだ、おいしい。 さっきと、味、変わった? 調味料を追加したわけじゃあない。 強いて言うならば葉一のリアクションがスパイス代わりになった、か。 先週、葉一に風邪をうつしてすっかり回復していた伊月は、これといった特徴のないフツメンルックスの彼と共にずるずるずるずる、あっという間にカレーうどんを完食して。 「おかわり、どうする?」 「あ。ほしい」 「じゃあまた並ぼう!」 いざ、二杯目を食するため老若男女入り乱れる長蛇の列に再び挑むのであった。

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