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もっとトイレが好きになるプレイ ~3/4~

既にそこへの刺激だけで何度でも絶頂できるようになった乳首に、工藤の指で丁寧にクリームが塗り込まれた。 これから行われる責めで皮膚が切れたりしないよう、潤して柔らかくしてくれているのだということはわかる。けれど、自分で触れるのも躊躇する程真っ赤に腫れ上がってしまっている乳首を工藤の指がなぞり、揉み込むようにされると、声を我慢できたのが不思議なくらい感じてびくんびくんと上体が揺れてしまい、吊られた麻縄にギシギシと軋みを上げさせてしまった。 「じっとしていられないなら、ここで辞めにしますよ」 辞めて欲しくなどないが、ひとたび返事をすれば止めどなく嬌声が迸ってしまいそうで、雛木は目線だけで必死に辞めないでくれと訴えた。 工藤は雛木と目線を合わせたまま、更に乳首をぐにぐにと揉み、強めの力で潰してくる。 簡単にいってしまいそうなその強い刺激に、雛木は口を悲鳴の形に大きく開きながら痙攣し、はみ出したペニスからだらだらと涎を零した。 「さて、ここからが本番です」 途端に、右の乳首を痛みと快感が襲った。 「っ……」 眉根を寄せて耐える。 いつの間に用意したのか、雛木の右の乳首には吸引機が付けられていた。その刺激は指で直接弄られるのに比べれば弱くはあるが、透明な筒いっぱいに吸い上げられ真っ赤になった乳首は、見た目がとにかく卑猥すぎる。 同じように左の乳首にも吸引機がつけられ、仕上げとばかりに指先で弾かれると、雛木はびくびくと全身を揺らし歯を食いしばった。 「この一週間、自慰をしなかったと信じていいですか?」 優しい小声の問いかけに、乳首を吸い上げられた情けない格好のままガクガクと頷く。 我慢したんです、ペニスもお尻も一度も触っていないんです。 涙目の視線で訴えると、工藤は満足そうに微笑んだ。 「いい子ですね。見せてごらんなさい」 吸引器に吸い出される乳首はそのままに、工藤の手が雛木の下着に伸びる。つっと金色のジッパーを指先でなぞられる感触がダイレクトにペニスの裏筋に伝わり、雛木は顎を上げて甘い声を飲み込んだ。 その時ふと工藤の手が止まり、くすりと笑った気配がした。 わずかな刺激にも喜んで涎を垂らすペニスを笑われているのかと(いぶか)っていると、唐突に毛羽立った感触がアヌスを掠める。 「んぅっ」 思わず声を出してしまい、慌てて振り返ろうとするが、両腕を頭上に固定されていて果たせない。 「ここだけジッパーを開けておいたのですね。いい子です。ここはホテルまでおあずけにしようと思っていましたが、ご褒美に少し可愛がって差し上げましょう」 言うなり、ジッパーが開かれたわずかな隙間に、柔らかいがちくちくする何かが差し込まれ、入口を擽った。おそらくこの感触は、毛羽立った麻縄の先端だ。 「……っ…」 声をこらえ、尻をもじつかせる。 微かな刺激は敏感な粘膜に痒みをもたらした。ネットカフェのトイレで自ら施した浣腸によって縁が盛り上がってしまった粘膜が、わずかな刺激ですら貪欲に快感に変えようとする。 しかし、雛木が欲する追い込まれるような悦楽にはほど遠い。もっと強く押し付けて、捻じ込んでほしい。そう思った途端、刺激が止んでしまった。 これでご褒美は終わりだろうか。まさかホテルまでお預け?そんなの、耐えられそうにない。 ねだる意図で尻をわずかに突き出した。するとその動きを咎めるように、髪の毛を鷲掴みにされ、首が反るようにグイッと引っ張られた。 そして耳に唇がつきそうなほど顔を寄せて、甘い叱責の囁きを流し込まれる。 「さすがにここで鞭を振るうわけにはいきませんし、縄の軋む音は意外と響きますから、じっとしていなさい。いい子にしていられたら、後でバイブレーターを突っ込んだままお尻が真っ赤になるまでパドルでぶって差し上げます」 瞬時に脳裏に閃く被虐の記憶に下半身が震える。便器を挟み込むようにガクガクと戦慄(わなな)く足を見て、工藤が吐息だけで笑った。 深いところを機械的な振動で嬲られ、びっしりとした突起で押し開かれながら、泣き喚いても許されずに尻肉を打ち据えられた記憶がありありと蘇ってくる。アヌスを押し広げられ、その奥深くを抉られながら、それ以外の場所を惨く苛め抜かれるのがたまらないのだと、工藤にはとっくにばれていた。 「いい子にしています。我慢します」 夢見るように小声で返す。それはもはやいい子にしているからバイブをぶちこんでパドルでぶってほしいというおねだりに他ならないが、雛木にはもうそれを考えられる余裕すらなかった。 向かい合ったまま抱きしめるように腕を回して、工藤がアヌスに何かを塗り付けてくれる感触に全神経を集中させつつ、身じろぎしないよう堪える。 そのまま指を捻じ込んで欲しいが、もちろんそんな単純な刺激をくれるはずなどなくて、指はすぐにそこから離れていった。 欲しがるアヌスにはまるで興味がないかのように、工藤の視線は既に吸引器に吸い出された雛木の乳首に向かっている。上下左右と確認し、頃合いだと思ったのか、ちゅ…と音を立てて乳首の吸引機が外された。 そこにあったのは、真っ赤に腫れあがって震える、男の物とは思えないてらてらと光る大きな乳首だった。 この一週間弄り続けたせいで、以前同じ吸引器を使われた時よりも遥かに大きく突き出してしまっている。塗り込まれたクリームによって、しっとりと艶を帯びて余計に淫らだ。自分自身ですら、指先で転がし、できることなら吸い付いて舌でこりこりと感触を味わってみたいと思ってしまうほどの卑猥さだった。 けれど、縛られた身では触れることも叶わず、工藤の更なる責めをただ待つことしかできない。 冷たい空気の中で固く凝った無防備な乳首は、工藤の手によって注意深く小ぶりなクリップで挟まれた。 「ふっ…うぅ…」 痛みで思わず漏れた声を掻き消そうとするように、ハッハッと短い息をつく。自分の胸を見下ろせば、クリップは乳首の根元を残して、真ん中から先を潰すように取り付けられている。 以前は根本だ先端だと区別のつかないわずかな引っ掛かりのような突起だったのに、今はどの部分を挟むか調節できてしまうような大きさになっていることを改めて思い知らされる。その分敏感になった乳首はクリップに押し潰される単純な刺激でも酷い痛みを感じたが、同時にただ痛いだけではない疼きにペニスもアヌスもひくつきが止まらなくなってしまう。 このままクリップを引っ張るのなら早くしてほしいと焦れる雛木をよそに、工藤はゆったりとした動作でボストンバックから極々細い麻の紐の束を取り出した。 今まで工藤が使ってくれた麻縄の中で一番細く見える。裁縫の糸よりは太いが、毛糸よりは細く、ちょうどタコ糸のような太さだった。 どう使うのかと思って見つめていた視線が物欲しげに見えたのか、工藤はその紐の束ですっと雛木の頬を撫でた後、下着からはみ出したペニスの先端をパシッと叩いた。 「はっ……うぅ……」 バラ鞭に似た刺激に、吐息混じりの悲鳴を何とか飲み込む。今の一撃で滴が散らされたのに、透明な液体がまたぷくりと盛り上がり、はしたなく先端を濡らす。 あと数度打ってもらえたらいけそうなのに、与えられた痛みは一度切りで、切なくて鼻の奥がツンと熱くなった。もっとしてほしいと乞うことも、腰を揺することも許されておらず、雛木はただじんじんとした痛みと熱に眉を寄せて耐えるしかない。 雛木をこんなにも感じさせながらも、工藤はいつも以上に無表情だった。クリップによって長さを留めつつ根本が露出した状態になってる雛木の乳首に、慎重に麻紐を巻き付け始める。 根元を幾重にも頑丈に巻くと、クリップを一旦緩めて少しだけ先端に移動させ、また挟み込む。そうして少し露出した乳首に徐々に紐を巻きつけるのだ。 いくら大きくなったとはいえ男の乳首なので、そうしないとすぐに紐が外れてしまってしっかり巻けないのだろう。クリップを緩められる刺激は気持ちよくはあったが、紐で血流が阻まれているのか、いつものような血が流れ込んでくるじんとした快感は小さかった。 そのまま絞り上げるように先端に向け隙間なくぐるぐると均等な力で巻いて、強く戒められていく。血が止まる強い締め付けに、先端の色がみるみる赤黒く変色していくのが見えた。 それでも構わず巻き付け、ごくわずかに先端を残して麻紐に完全に覆われ繭のようになった時には、既に乳首はかなり絞り出されて長くなっていた。 見た事も無い卑猥な形に変えられていく乳首を、便器を跨いで爪先立ちで吊られるみっともない格好でつぶさに観察しながら、雛木はじんじんとする痛くて気持ちいい刺激に眉根を寄せて耐えていた。 確かめるようにくっと紐を引かれると、わずかに露出した先端が腫れ上がってストッパーの役割を果たしているのか、麻紐はびんっと乳首を引っ張り、抜けることはなかった。 工藤の手の中の紐に自分の乳首が引っ張られる光景は、眩暈がしそうな程に雛木の被虐心を刺激し、その奴隷らしい扱いに体中がずくずくと疼いて堪らない。 同じように左の乳首も麻紐で締め上げられ、先端を残して器用に縛られてすっかり麻紐で覆われた頃には、先走りで濡れた下着がぐっしょりと重くなっていた。 「疲れたでしょう。座っていいですよ」 両手を吊り上げていた麻縄を徐々に緩められると、長時間爪先立ちになっていた両足はガクガクと震えてまるで言うことを聞かず、崩れ落ちるように便座に跨ってしまった。両腕は頭上に吊り上げられたままだが、休ませてくれるつもりなのか、多少余裕を残した長さで再度縄橋に固定される。 とはいえ、自分で両腕を持ち上げて手首への縄の食い込みを軽くする余力はもうなくて、便座に跨って座り、軽く両肘を曲げて吊られた状態で力なく項垂れた。 吊りから下ろされた時の虚脱感はいつもすさまじい。指一本動かしたくなくなり、雛木は気を失うように眠りに引きずり込まれてしまうことがよくあった。 しかし今日は、何ひとつ発散させてもらえていない乳首が、ペニスが、アヌスが、意識を手放すことを許さない。 雛木はのろのろと顔を上げ、工藤に目線で情けを乞うた。 「意識ははっきりしているようですね。大丈夫、もうすぐいかせてあげますから」 言うなり、乳首を絞り上げている麻紐の先を手に取り、あろうことかトイレのドアの内側についた荷物フックに引っかけた。 まさかと驚いている内に、ぴんと張った状態で固定されてしまう。自分の両乳首から伸びた二本の麻紐がトイレのドアに繋がっている光景は、雛木の理解を完全に超えていた。 胸を突き出せば紐に弛みが生まれるが、胸を引けば乳首がトイレのドアに引っ張られてしまう。 あっけにとられていると、 「扉が音を立ててしまうので、あまり強く引っ張って遊ばないように」 と注意を受ける。 言葉だけ聞けばまるで小学生への注意だが、刺激が欲しくて胸を引いてみようとしていた雛木はバツが悪くなって俯いた。強く締め上げられた乳首はじんじんと熱を持って痛くて、早く思い切りいたぶっていかせて欲しかった。 「本当はこれは必要がないのですが、自らジッパーを開けていたご褒美に使って差し上げてもいいですよ。どうしますか?」 工藤がこれと言って雛木の顔の前に差し出したのは、シリコンで覆われた鉤針状の道具だった。全体の太さは親指程度だが、鉤針の先は直径4センチ程度の球状になっている。鉤針の上部には穴があり、そこには既に麻縄が通されていた。 見たことのない道具だったが、ご褒美と言われれば頷かないはずがない。 「ありがとうございます。お願いします」 何に使うのか尋ねることもなく素直に受け入れた雛木に、工藤は場違いなほど明るい笑顔を見せた。 「あなたは本当にかわいらしいですね。そんなだから、次はどんな風に責めようかと、夜も昼もなく毎日あなたのことばかり考えてしまうんですよ」 突然の嬉しい告白に、心臓がどんっと鳴って一瞬止まったような気がした。次いで、ドクドクドクドクと早鐘を打ち、顔がかぁっと赤くなる。 会えない時間に工藤が自分のことを考えてくれているだけでも嬉しいのに、その頭の中で自分が様々な責めで乱されているなんて。しかも夜も昼もなく毎日。 嬉しすぎて、欲情しすぎて、その頭の中の映像を是非メールに添付して送ってほしいと、馬鹿なことすら考える。 あぁもう大好きだ。世界一大好きな、俺のマスター! 迸る愛と欲に内心で身悶える雛木をよそに、工藤はフック状の道具に丹念にゼリーを塗り込んでいた。 「お尻を少し突き出しなさい」 その言葉に、眩暈を伴うほどの期待が胸の中で渦を巻く。一週間触れられることのなかったアヌスが、ひとりでにぎゅうっと引き絞られた。 乳首が引っ張られないよう用心しながら、便座に跨ったまま背を反らして尻を後ろに突き出す。 あれを入れて貰えるんだろうか。あんなに大きいのを。ご褒美だって……嬉しすぎる。 雛木の横に回った工藤は一言もなく、下着の開いたジッパーの間から鉤針の先端の球をアヌスに押し込んだ。 「ふっ……っ~~~!」 慣らされてもいないのに、濡れた大きな球はぐぷりと入り込み、内壁を押し開きながら奥へと進む。未経験であれば裂けてもおかしくない大きさの球を、雛木のアヌスは柔軟に飲み込み、放したくないとでも言うかのように強く食い締めた。 一週間ぶりの異物に、雛木の内壁は歓喜に咽んでいた。シリコンで覆われた中身はもしや金属なのか、球はずっしりと重い。腹の内側で感じるその重さは、異物を挿入されたのだという事実を強烈に訴えていて、痛みどころかゾクゾクとした悦びばかりを生み出す。一方、敏感な入り口は、入り込んでくる柄を食い締めてみたり、もっと飲み込もうと弛んでみたり、忙しなく収縮を繰り返していた。 もっともっと奥へ。 自ら進んで球を飲み込んでいくアヌスが、途中で抵抗にあって不満げに大きく収縮した。Jの字のようになった湾曲に、それ以上の引き込みを阻まれたのだ。 もっと抉り込んで欲しい。揺すって、擦って、出し入れしてほしい。 強烈な欲求に鋭く息を呑むが、工藤は当然そんな即物的な快感を与えてなどくれない。 「これは、あなたの鞄の横のフックにかけておきますね」 言うなり、鉤針が斜め後ろに引っ張られる。 腹の中から尾てい骨を引っ張られるような未知の感覚に、乳首を繋がれていることも忘れて思わず体を引いてしまった。 ――ガタッ。 乳首の痛み以上に、扉が立てた大きな音に驚いて思わず身を竦める。 しんとしたトイレにその音は予想以上に大きく響いた。 「気を付けなさい」 叱責しながら、工藤がぴんと張った麻縄を背後の壁のフックに結び付けている気配を、雛木はアヌスと中の球に伝わる振動で感じ取っていた。わずかな刺激にも腹筋ごと引き絞るように中が動いてしまう。 自分が毎日使っている通勤鞄と、アヌスに切ない疼きを与えるこの玩具が隣り合ってトイレの壁に掛けられているのだと思うと、想像しただけで背筋が背徳感に打ち震え鳥肌が立つ。振り返って自分の目で確認してみたくて仕方がないが、正面に縫いとめられた乳首がそれを許してくれない。緩めに吊られた腕は多少動かすことができるし、足は完全に自由だったが、雛木の胴体は敏感な部分を前後に引っ張られ、便器の上にすっかり固定されていた。 「さて、それでは……」 雛木の背後でアヌスを引っ張る縄を結び終え、再び正面に戻ってきた工藤は、手に新たな麻縄の束を二つ持っていた。 これ以上どこを縛るのかと思っていると、工藤は無言で麻縄を雛木の膝に片足ずつ巻きつけた。そしてその先端を頭上の縄橋を架けるのに使ったフックに掛け、ぐっと引いた。 手首が持ち上げられた時のように、両足が徐々に持ち上げられていく。手首と違うのは、左右の壁のフックにそれぞれ引っ張られることになるため、両足が開いた状態で持ち上がっていくところか。 便座に跨った状態で両足が持ち上がれば、当然上体は後ろに倒れる。しかし、乳首を前方のドアに固定されている雛木は、後ろに倒れれば乳首を自ら引っ張ってしまうことになる。ぴんと張られた麻紐に引っ張られた乳首は、今でさえ常に軽く引き伸ばされているのに、後ろに倒れ込んだりしたらどうなってしまうのだろうか。工藤のことだから、まさか千切れたりはしないようにしてくれているだろうが、自分で体重をかけて引っ張るのはさすがに怖い。雛木は腹筋に力を入れてなんとか姿勢を保とうと耐えるが、そう長くは持ちそうになかった。 工藤が手首を吊った縄に余裕を作ったのは、休ませるためではなくある程度後ろに倒れる余地を作るためだったのだと、この時初めて気づいた。 「なかなか頑張りますね」 更に両足が持ち上げられると、どうしようもなく腰は前に引っ張られるのに、アヌスに深く食い込んだ鉤針がそれを阻もうとする。限界を迎えつつある腹筋は震え、鉤針を必要以上に食い締めてしまい、それどころではないはずなのに媚肉が大きな球を味わって歓喜に震えた。 そして、もうこれ以上は尻が便座から浮いてしまう所まで足が持ち上がった時――。 内側から斜め後ろに引っ張られ続けたアヌスは、ついにがぽっと下品な音を立て口を開いてしまった。 「ひっ!」 腹の中に一気に入り込んだ冷たい空気とは対照的に、雛木の顔は真っ赤になって歪む。工藤に下品な音を聞かれた恥ずかしさに、身の置き所がなくなってしまう。 一旦開いてしまった穴は、引っ張られ続けて自分の意志では閉じられない。それでも必死に閉じようと力を籠めるが、開いてしまった空洞を空気が無情に出入りし、ひゅうひゅうというかすかな音を上げ続けてしまう。 とろけて開ききった肉筒の内側を見せたことは何度もあるが、その空洞を物語る音を聞かれるのがこんなに恥ずかしいなんて思っていなかった。いや、そもそもこんな状態を、妄想の中ですら思い浮かべたことなどなかった。 ふふ……と、工藤の吐息が聞こえた。 「恥ずかしくて、嬉しいんですね」 その言葉通り、下着のゴムから覗く放置されたペニスの先端からは、濁った液体がだらだらと溢れていた。アヌスを閉じられない状態では、上体が倒れないよう踏ん張る腹筋にも力が入らない。徐々に体が後ろへ倒れ込むと同時に、乳首が引っ張られる力が強くなり、胸の皮膚ごと斜め前に向かって伸びていく。 乳首を中心に、胸全体で切れ目のない痛みがどんどん強くなる。興奮と、疲労と、痛みと、快感と、恐怖とで、雛木の口は微かな喘ぎ混じりの荒い息が漏れ続け、垂れた涎が引き伸ばされる乳首の間をたらたらと伝った。 アヌスが限界まで引っ張られたところを見計らい、工藤は雛木の両足を吊り上げた麻縄を手早く固定した。 便座に尻だけを乗せて、両手首は頭上の縄橋に、両足は大股開きで膝裏を両側の壁に吊られ、乳首をドアのフックに引き伸ばされ、アヌスを背後の壁に内側から引っ張られる。 「あぁ…はぁっはぁっ…あっ……はぁはぁ」 何の変哲もないトイレの個室の中で、雛木はアヌスに空気が出入りするひゅうひゅうという微かな音を立てながら喘ぎ続ける、歪で卑猥なオブジェと化していた。 もうほとんど体に力が入らなくなっていたが、それでも雛木はまだ完全には体を麻縄に預けきれずにいた。痛みが強いのも勿論のことだが、乳首は既に限界に近い程引き伸ばされてしまっているように見えるのだ。脱力して両腕を吊る麻縄に体重をかければ、乳首は更に引っ張られることになってしまう。 工藤の手で乳首を引っ張られることを想像していた時は、どんな苦痛でも耐えられると思ったが、自重で引っ張るとなればやはり恐怖が強い。引っ張り続けられる乳首の痛みは鋭さを失い漫然としていて、もう力を抜いて楽になってしまいたいと思うのに、雛木はそのきっかけを掴めずにいた。 工藤もそれをわかっているのか「いつまでもこのままで飾っておきたいくらい、とても素敵ですよ」と褒めてはくれるが、ただ雛木を眺めているだけだ。どこもかしこも痛くて、苦しくて、何より決定的な刺激が欲しくて切なくて、自分でも気づかない内に雛木の頬には一滴の涙が伝っていた。 「もう……許してください……」 禁を破って言葉が零れた。 「外しますか?」 酷く優しい声音で工藤が尋ねてくれる。 自分が音を上げればプレイはいつでもそこで辞めてもらえることはわかっている。けれど、辞めて欲しいわけでは決してなかった。 「違うんです…もう、欲しくて…自分でも何が欲しいのかわからないくらい、欲しくて欲しくて…気が狂いそうなんです…」 欲しいと口に出せば出すほど飢餓感が募った。射精したいのか、乳首で絶頂したいのか、鞭打たれたいのか、アヌスを抉られたいのか、自分でもわからない。ただ、縄を解いてほしいわけではないということだけははっきりとわかっていた。 縛られたまま、この痛くて苦しくて卑猥な状態のまま、あと一歩、工藤にどうにかしてほしかった。 「聞いてあげますよ。何が欲しいか言ってごらんなさい」 欲しいという言葉以外思いつかず、思考が涎と先走りになってだらだらと流れ出す。 あぁ、欲しい、欲しい。 俺は、工藤さんが欲しい。俺が、俺のマスターから、欲しいものは……。 ≪続≫

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