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雛木君がハマった、黒くて細長いアレ ~反省&実践編 5/6~

工藤は散々雛木の胸を打つと、アドレナリンが切れる寸前を見計らって鞭を止めた。 今日のところは、痛みを痛みとしか感じられなくなっては意味がない。主人に打たれる喜びや快感を改めて感じさせ、そして自分自身が望んで打たれているのだとわからせること、そしてそれを与えてくれる主人に感謝すべきなのだと刷り込むことが目的だった。 もちろん、工藤自身が雛木を打ちたいと思っていることが、鞭を振るう一番の動機ではあったが。 ともあれ、目的は充分に果たされた。工藤は、息も絶え絶えになりながらも恍惚とした表情を浮かべている雛木を吊りから下ろしてやるべく、足の下に重ねた枕を入れてやった。 片手で胴体を抱えて支えながら、手早く腕の拘束を解く。 雛木は体に力が入らないようで、ぐったりと身を預けてきた。 いたぶった後の奴隷の重さは、何度感じても飽きることがない。征服欲が満たされて心地よく、やみつきになるのだ。 逆らう意思を一片ももたない脱力した肉体は、どうしても工藤の嗜虐芯を煽る。ここから更に追い込んで、正気を失うほど縋らせて、主人としての支配力をより強めたい。 だが、工藤はその欲求を押し留めた。鞭だけで達しながら礼を口にした雛木は頑張ったと理解しているし、仕込みきっていない肉体や精神は脆い。 雛木を壊したくはなかった。肉体はもちろん、その淫らさからは想像もつかないほど真っ直ぐに愛を語る心も、長く慈しんでやりたい。 工藤は雛木を慎重に床に寝かせ、後始末に取り掛かった。 長く連続した絶頂のせいで、もうあまり意識が向かっていないようだが、雛木の性器は限界だった。パンパンに膨れ、赤黒く変色している。 そろそろ射精させてやらねばなるまい。 工藤は、股間を縛り上げた麻縄をそっと解いてやった。 制限されていた血流が解き放たれた途端、急に痛みとじんじんした疼きが増したのだろう。雛木が「あうぅ」と呻いて緊縛痕の残る不自由な手でのろのろと股間を掴む。 射精感も戻ってきたのか、吊りと絶頂に疲弊しきったはずの腰を小刻みに揺すっている。 しばらくそうしていると、血色の戻ったペニスは骨が通っているかのように硬くなり、今にも噴きそうにカウパー氏腺液を漏らし始めた。 すぐにでも扱いて楽になりたい状態のはずだ。だが雛木は、床に転がったまま頼りない視線で見上げ、工藤の意向を伺った。 射精すると男は一気に冷静になるが、射精させずにオーガズムに何度も追い込むと、深い酩酊状態になる。加えて、においでわかる通り、雛木にはアルコールもかなり入っているのだろう。もう正常な判断はできないはずだった。 だが、本能が剥き出しになっているこの状況でも尚、雛木は勝手に性器を扱かなかった。大層素晴らしい成果だ。主人に射精の伺いを立てられるのは、奴隷の習性が身に染み込んでいる証に他ならない。 「出したいですか?」 言わずもがなの問いに、雛木は床に転がったまま身じろいで、こくこくと頷いた。 どうやら起き上がる余力がないらしい。やはりハードな調教をしていない分、耐久力にはまだまだ難がある。調教を進めるなら、もっと吊りに慣れさせ、筋力も付けさせねばなるまい。 だが、本気で仕込む勇気のない主人の調教で、どこまで美しくなってくれるだろうか。 「どうぞ。出していいですよ」 解いた縄を手繰り、絡まないように巻き取りながら、声をかけてやる。すぐに扱き始めるかと思ったが、雛木の反応は予想外のものだった。 「ありがとうございます。でも、あの……工藤さんは本当に、奴隷に対してそういう風に言うんですか?俺が悪いことをして、罰を貰って、奴隷の作法を教えてもらって、その後なのに、自分でしていいって。これって、絶対手加減されてますよね?」 雛木はよろよろと上半身を起こし、先ほどまで惚けていた目に意思の力を漲らせた。 「さっき、今まで以上にちゃんと奴隷扱いしてくれて、すごく嬉しかったんです。俺、まだまだ大丈夫です。しゃ、射精する時も、奴隷として扱っていただけないでしょうか」 雛木の羞恥交じりの反発に虚をつかれた。 工藤の飼った男の奴隷は、プレイ内容がどうあれ、射精の許可には喜んだ。それは、堰き止められれば堰き止められるほど募る欲求であり、待ち侘びた解放であり、男にとっては馴染んだ純粋な快楽だからだ。 だが、雛木はそれを不服だと言う。 もしかすると雛木の心には、工藤がこれまで飼ってきた奴隷達を超える服従の精神が棲みついているのだろうか、と、不穏な期待が頭をもたげた。 奴隷にとって何よりも大切なのは、主人に服従することを最上の喜びと自然に感じられる精神だ。被虐を悦ぶだけでは、ただのマゾヒストでしかない。 主なくして奴隷は生まれず、奴隷をもたない主は主たりえない。 主と奴隷は分かちがたく一つなのだ。 工藤はそれを、嫌というほど自覚している。 その点でいえば、雛木が示したのはまぎれもなく、主人としての欲望と技巧の全てを注ぎ込んだ最高の奴隷を育てられる可能性だ。 それは、とても危険で、抗いがたい誘惑だった。 「……そんなに、堕ちたいのですか?今でもあなたは世間から見れば十分に、SMに耽溺する変態なのに。もっと、と?」 口ではそう確認しながらも、工藤は屈み込み、その指はもう既に雛木の顎をしっかりと捕らえていた。 腕と腹に濃い緊縛痕を残し、打たれた胸を真っ赤に腫らした奴隷が、更なる従属を求めている。 主人として、こんなに満たされ、欲望を掻き立てられることが他にあるだろうか。 「はい。体中全て、心の全て、奴隷にしてほしいです」 迷わずそう答えた雛木は、この場には似つかわしくないほど、きらきらと瞳を輝かせていた。 まるで、やっと夢への足がかりを掴んだと言わんばかりに。 「俺は今でもあなたの奴隷です。でも、もっともっと、あなたの手で、あなたの奴隷ふさわしくあるように、変えて欲しいんです」 言い募る声は切実だった。 ――こんなに望まれて、どうしてそれを叶えてはいけないのだろうか。本格的に仕込んだとしても、あの子と同じ末路を辿るとは限らないのに。 工藤の胸に誓った戒めはとうに綻び始めており、今またその一部が脆くも解ける。 黒革の首輪をつけた男の暗い面影は、工藤の胸から消えることはない。 だが同時に、アメリカで数日前に目にしたばかりの、白いタキシードに身を包んだ男のはにかんだ微笑みも目に浮かんだ。 幸せになってくれと言おうとした工藤を制し、 『今までも、これからも、たとえ魂だけになっても、あなたの幸せを願い続けます』 と誓ったかつての奴隷。 彼は工藤がとことん仕込んだ後でも、手元を離れて自分の行く道を選んだのだ。 雛木もしっかり導けば、最高の奴隷に仕上がって工藤を満足させ、新たな主人や恋人の元へ無事に旅立てるかもしれない。 取り返しのつかない不幸には陥らないかもしれない。望まれる限り、全力で仕込んでも許されるのかもしれない。 工藤は今回の渡米で、主人としての自信を少なからず取り戻していた。いや、主人として生きることに、新たな希望を見出したといってもいい。 不幸になった奴隷を目の当たりにし、恐れと自責から全ての奴隷を手放したが、やはり他者をいたぶり征服したいという湧き上がる欲求からは逃れられない。 そして、一人よがりではなく、いたぶられたいと望む人間も確かに存在する。 それをお互いにとって最高に気持ちいい形で叶えることこそ、主人(マスター)の矜持ではなかろうか。 そして、もう一度本格的に奴隷を仕込むなら、その相手は雛木であってほしかった。 可愛くて、愛しくて仕方がない、この素直なマゾヒストであってほしかった。 工藤はまるで口付けるように、雛木の下唇を親指でなぞった。そして、自分でも笑ってしまうほど欲にまみれた声で、可愛い男に囁いた。 「いいでしょう。それではもう少し、奴隷の作法を仕込んであげましょう」 後ろ手に縛り直され、床に座らされた雛木の両足首には、黒い革の枷が嵌められていた。足の間では、血色を取り戻したペニスが勃ち上がり、放出の瞬間を今か今かと待ち侘びている。 工藤がボストンバッグから手の平サイズの金属棒を取り出し、ブンと振ると、ギャンッと金属同士がぶつかる嫌な音を立てて、金属の棒が長く伸びた。 その暴力の気配を色濃く漂わせる音で、雛木の欲望の火は更に燃え上がる。 工藤は伸ばした金属棒を、雛木の両足の枷に繋いだ。 肩幅の倍はある金属棒は雛木の足を割り開き、閉じなくさせている。剥き出しになった股間では、パンパンに張った玉の周囲に、自らへの鞭打ち(セルフウィッピング)でつけた青痣がいくつも散らばっているのが見えた。 「これを使うのは初めてですね。口を大きく開いてください」 工藤が雛木の口に捻じ込んだのは、開口用の口環(ギャグ)の中心についた短い円筒だった。 上下の歯の間に円筒を捻じ込み、頭の後ろでバックルを留めると、口が閉じられなくなる。 口の中が無防備に晒されるのが、この口輪の一番の特徴だ。舌だけは動かせることもあり、フェラチオを強制する際に便利な道具だった。 だが今は、円筒部分は排水溝の栓のようにしっかりと閉じられており、雛木の声はほぼ完全に封じられていた。 手足だけでなく口まで封じられた無力な雛木は、何をされるのかと脅える気配は見せながらも、一向に勃起を萎えさせない。 何でも享楽的に受け取るタイプのマゾヒストもいるが、工藤としては痛みや恐怖に敏感でありながらも、快楽に対して欲深い雛木のようなタイプの方が嬲りがいがあって好みだった。 開脚を強制する金属棒を蹴り上げてやると、雛木は驚いたように目を見開き、達磨のようにあっけなく転がった。 起き上がることを許さず、金属棒を掴んで持ち上げる。そして雛木の頭の方へ押してやると、子供がおしめを替えられる時のように尻がぐっと持ち上がった。 雛木は、玉の裏から尻の穴まで丸出しにするみっともない格好に、ぎゅっと目を瞑っている。 だが、 「目を開けて、しっかりと自分のペニスを見なさい」 と命じると、はっと目を見開いた。 その素直な顔面に向け、開脚を強制する金属棒を押して、更に性器を近づけてやる。 強張る筋肉の抵抗を封じるため、足で金属棒を踏み込むと、雛木の尻は更に持ち上がり背中まで丸見えになった。 体が柔らかい方とはいえ、苦しさを感じているのだろう。眉根がぎゅっと寄せられている。 だがそれに構わず更に棒を踏み込むと、雛木のつま先はついに自身の頭上の床についた。 ちんぐり返しという俗称で呼ばれる恥ずかしい体位に、雛木の顔は真っ赤になり、羞恥で大きく歪む。 工藤はくるりと体を返し、雛木の頭上の位置に立つと、金属棒を踏み付けていとも簡単に雛木を恥ずかしい体位で固定した。 縛られた後ろ手が背中を支えているせいもあり、一度こうしてひっくり返されると、容易には元に戻れない。 雛木の口を封じるギャグの上に、目の前に近づいた己のペニスの先端から滴った先走りがぽとりと垂れた。 「あぁ、なんて醜い。鞭打ち(ウィッピング)に痣はつきものとはいえ、こんな大小も濃淡もまちまちな痣など、見るに堪えません」 曝け出された尻を見て、本心から嘆息する。 工藤とて、仕込んだ奴隷には痣を残すつもりで打つが、その際はあくまでも奴隷らしい装飾として浮かぶように位置にも大きさにも気を配っている。 だが雛木の尻は今、親から虐待を受けた子供のような悲惨さしか感じられない有様だった。 雛木の口からはおそらく謝罪だろう声が漏れたが、ギャグを噛ませているためもごもごとくぐもった音しか聞こえてこない。 「こんな物を見ながらでは、アヌスを可愛がる気にもなれませんね。今夜は準備もしていないでしょうし、せっかくですからこの体勢のまま、漏らすまで浣腸でもして差し上げましょうか?」 もちろんそこまでする気はなかったが、雛木は羞恥に赤らめていた顔からざっと血の気を引かせた。 恐怖に目を見開き、思わずといったように首を小さく横に振る。だが、はっと気付いた様子で動きを止めた。 そして、青ざめた顔で、小さくこくりと頷いたのだ。 それが奴隷に相応しい罰なら受け入れるという覚悟なのだろう。初めて会った頃、スカトロはNGだと言っていたのに、本当に健気な子だ。 「冗談ですよ。いえ、そうして差し上げてもいいのですが、楽しみはまた今度にとっておきましょう。今はまず、奴隷の作法を覚えましょうね」 そう許してやると、雛木は目に見えてほっとした様子を見せ、表情を寛げた。 これで、スカトロに比べればましだと、大抵のことは受け入れやすくなるというものだ。 工藤はボストンバッグをあさり、鞭先が小さく硬い革製の乗馬鞭を手に取った。 これはかなりの痛みを与える上、肌が切れさえするので、ほとんど雛木には使っていない。 だが、一点をピンポイントで打ち据えるには最適な形だった。 さっと鞭先で雛木のアヌスに触れてやると、まるで生き物のように目に見えて窄まった。体全体がびくりと震え、腹筋が波打つ。 アヌスのひくつきは一度では収まらず、面白いようにうねうねと複雑に動いた。 本人も言っていた通り、昨日のセルフウィッピングの際は玩具を咥え込んで楽しんだらしく、アヌスの縁はいまだに少しめくれ、赤く盛り上がっていた。皺も伸び気味で、ふっくらと柔らかい。 このままこの穴を抉じ開けてぶち込んでやりたい凶暴な欲求も込み上げるが、それと同時に焦らしてもやりたくなる。 工藤は荒淫の跡を見せるアヌスの縁を、小さな鞭先で擽った。 「手入れが悪いですよ。ここをめくれさせるなら、綺麗なアナルローズになるよう気をつけなさい」 解された柔らかさを残す縁を、鞭先で軽くなぞる。 「ううっ ううぅっ」 雛木の口から漏れる呻きは、激しい羞恥ともどかしい快感を訴える響きだった。 「普段はここ、右側の縁や……」 ここ、と言いながら、鞭先でアヌスの縁を擽る。 「尾てい骨側の、ここが腫れていることが多いですが」 指摘しながら辿る度に、雛木の封じられた口から漏れる呻きは大きくなっていく。 「今日はここ、左側の縁が特に腫れていますね。利き手で鞭を振るい、左手でバイブを乱暴に出し入れしましたか?」 はしたない行為を見透かされて、雛木の体に震えが走った。高められきった身体は、今にも解放されたいと、こらえきれずに腰を揺すってしまう。 濁った先走りはとろりと尾を引き、雛木の声を封じるギャグを汚していた。 工藤は言葉で雛木を嬲りながら、執拗にアヌスの縁を鞭先で辿った。 今日はまだ何も咥え込んでいないはずのいやらしい穴が、綻んで淫らに開閉を始めるまで。 雛木は洗ってもいない恥ずかしい場所を全て主人に曝け出す不自由な体勢のまま、呻きながら腰を揺すった。 早くその場所を、自分で散々弄ってしまったその場所を楽にしてほしいと。 これほどまでにペニスは腫れ上がり、限界を訴えているのに、雛木の身体も意識も、ペニスよりもアヌスへの手酷い淫虐を求めていた。 「うぅん……うぅうん……」 切なげに高くなった雛木の呻き声に、そろそろ限界だと悟る。 工藤は気密性を感じさせるぽんっという音と共に、開口ギャグの栓を抜いてやった。 口を押し広げる円の中に、唾液まみれの舌が覗く。 雛木は不自由な口で、 「ほひいれふ……ほひい……」 と解放を求めていた。 「大丈夫。あげますよ」 工藤が微笑んでやると、雛木は頬を紅潮させ、目を細めた。尻の穴を責めてもらえると知って喜ぶ様子が、とても愛しい。 「ところで、あなたは奴隷として、自らの欲望の発露で主人を煩わせてはいけないということはわかっていますか?」 意味を汲み取れない言葉を理解しようとするかのように、雛木の瞳が必死な色を帯びる。 そこには自分の姿しか映っていないのだと思うと、工藤の胸には安堵に近い喜びが湧き上がってくる。 だから工藤は口の端に笑みを浮かべ、わかりやすい言葉で教えてやった。 「さぁ、首と舌を思い切り伸ばして、自分のザーメンを受け止めなさい」 《続》

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