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第2話

 これではポケットの中の品物を消したって決定的な証拠が残る。  「何が欲しい?金か?」  買収するしかない。  汚い手だとは判ってる。  判ってるが、所詮ガキの考えそうなことはこの程度だろう。  ふん、と頭上で笑う音。  「キッタネー」  子供らしい破顔に血の気が失せる。  「ッアっ!」  鞄を引ったくり、陸橋の脚の方へ突き飛ばされた。  「ビキの上に買収かよ!大人ってマジキタネー」  体をくの時に曲げて笑うその姿が本当に無邪気で余計腹が立った。  「でも、くれるってもんは貰っとかないと勿体ないよなー」  結局奪おうとするお前の方が汚い。  腹の底で思いながら言葉を噛み殺し鞄の中を漁る少年を睨んだ。  「うわ、T銀の常務かー。若いのにスゲーなぁ」  名刺や免許証まで漁りながら今日降ろしたばかりの諭吉が少年に掠われる。  用済みの鞄と財布を投げ付けられた。  痛い。  「じゃあ、私はこれで……」  「はぁ?金で買収なんてマジで出来ると思ってんのかよ、梶 涼丞、さん?」  心底呆れた顔が僕を見た。  「これ以上何をしろって言うんだ?」  異様なほど近づいた少年の舌舐めずりの意味など、測りかねた。  「口止め料」  見開いた目が近づく。近づいて、目を逸らした瞬間に、体を反転させられた。  「いっって、」  コンクリートの橋脚は肌に冷たい。  「何をするんだ!痛いだろ!」  手を振り払い逃れようとするが、少年の動きは手早い。  去年元カノにプレゼントされたネクタイは今自分を縛り上げる手錠の役割をになってた。  元カノなのか元々カノだったか今一つ覚えてない。  「ひっ!」  少年の次の行動に、体が凍りつく。  ベルトを引き抜かれたのだ。  裸に向いて、写真でも撮るつもりか。  それだけは避けたいと身をよじるが、肩を橋脚に押し付ける少年の力は強く、逃れる手はない。  「やめろ」  とたん恐怖心が襲い始める。  「今更何しおらしくなってんだよ、梶さん」  少年の息が耳にかかる。  金属音を立ててベルトが外されると、下着ごとズボンが下され足を引き抜かれる、下半身を露出したまま、壁に縋った。  「足開けよ」  少年のつま先が、僕の足を蹴飛ばし、強引に足を開かせた。  肩幅より広く開かされた足に、裏筋がのぞく。  「へぇ、梶さん結構立派なチンポしてんじゃん」  「やめっ」  「ホーケーだけど」  足の間から差し入れられた掌が、下から支えるように僕の性器に触れた。  「ハハッ!しかもこれだけでオッ勃つのかよ」  「アヒッ、アッ、やめろ…ッ」  少年は弾けるように笑い、僕の性器を玩ぶ。  長い爪が包皮をつまんで引っ張り、惨めさが襲ってくる。  「やめろじゃないだろ、涼丞ぇ?」  下卑た物言いで、少年は僕の包茎性器の亀頭を引き出した。  「こんな包茎チンポ、シコッてやろうってんだから、有り難く思えよ」  「あひっ!」  ペチペチと音を立てて性器を叩かれ、腰がむず痒くなるのを感じた。

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