少年の掌が尻朶をまくりあげ、太い性器にピッチリと張りついた肉を爪で抓った。 　「んぁぁぅ」 　 　痛みすら快楽と認識する体は、嬉しそうに、肉襞をくねらせる。 　「涼丞ん中、なかなかいい感じだぜ」 　褒められたことに素直に悦び、性器がびくんと跳ねた。 　「あっあぁっ、や、だめ、指、ゆびぃっ！」 　肉を捲り上げ、少年の節立った指が、男性器とは違う動きで、僕を苛んだ。 　「あぅ、あぉぉっ」 　血管の凹凸すら鋭敏に感じ取る媚肉は、別意志で動く指に、とろけて絡みつき、腰を震わせた。 　「あひゃぁあ、らめぇ、らめぇ…」 　「嫌なのかよ」 　「あぐぅ！」 　ずぬるりと音を立てて、少年の指と性器が僕の中から抜ける。 　急に訪れた喪失感に、僕は無意識に弛緩し切った後腔をひくん、ひくんと蠢かせた。 　「あぁ、あぁ、」 　僕は三度、崩れ落ち、尻を高く上げた格好で、端から荒く呼吸した。 　「すっげな、初モノじゃねぇのかよ」 　言いながら少年の指が肉襞を寛げる。 　その感触だけで中の肉がうにゅうにゅと何か期待するように動いてしまう。 　「中、てらてらしてんな」 　少年の笑いが、息となり、覚ます様に腸壁を刺激する。 　射精感に耐え切れず内股になる。 　そのために内壁が締まり、更に肉襞が蠢いた。 　「お、お願い」 　きゅんきゅんと内壁をひくつかせながら、腰を揺さぶってねだり、哀願する。 　「お願い、もっと、挿れて、もっと、もっとこすって、」 　淫売にまで落ちた僕を少年の冷めた目が見つめていた。 　「変態」 　「ひあん！」 　少年のスニーカが、僕の尻を蹴った。 　それすら悦楽に感じる。 　「ケツマンこんなにグチョグチョにしやがって、ほんとにアンタ淫売なんじゃねーの」 　笑みにひしゃげた、少年の顔に、僕は涙を流す。 　蹴られたのが屈辱だったわけでも、痛かったわけでもない。 　ただ早く奥まで満たしてほしくて、その想像だけで、僕は生理的な涙をこぼしたのだ。 　肩で上体を支え、戒められた手を思い切り伸ばして、自身の淫腔を少年に向かって拡げて見せた。 　「なか、中にイレて、はやくぅ」 　わざと大きく腰を揺らして、ギリギリ第一関節まで入った指でぐっちゅぐっちゅ水音を鳴らす。 　「ほしい、ほしいの、ちんぽ、もっとグチョグチョにしてぇ」 　下品な言葉を連ねて、自分をあおる。 　そんな僕の痴態を鼻先で笑い、少年は運動靴の爪先を、僕の淫腔に押しつけた。 　「んぉぉっ！」 　ぐにゅりと踏みつけられ、ヒクンヒクンと肉が震える。 　僕は、それさえ嬉しくて、靴まで呑み込もうとした。 　僕は口を綻ばせながら、少年を見た。 　正確には、少年の持つ、大きく黒い一物を見たのだ。 　赤黒く先端が光り、浮き出だ血管は隆々としている。 　「ほしぃ、ほしぃよぉ…」 　靴底に踏みつけられながら、僕は彼に『オネダリ』した。 　「きったねぇ大人」 　「あふぅぅん」 　半ば呆れたように笑い、彼は僕に求めていた快楽をくれる。 　その形を確認して、僕は彼の性器に肉を絡ませた。 　カリも、裏筋も、血管も全てが僕の肉を擦って気絶しそうなほど気持ちいい。 　「あぁん、あぁぁ、いいよぉ、いぃ」 　ゆっくり根元まで埋め込まれ、僕はその充足に身震いする。 　「あがっ」 　気を抜いた瞬間、ヘアピンで栓をされた性器に手が伸び、握り込められて僕は再び白目をむいた。 　射精を許されない性器への愛撫は強烈過ぎて、僕の脳内は何度も白く光り、ギュチギュチと彼の性器を締め付けた。 　「あひっ、あひっ、あぅ――！あぅ――！」 　「くぅっ」 　空イキを繰り返し、全身が痙攣して肉がひきつれる。 　瞬間最奥に熱いほとばしりを感じた。 　「あひぃひぃぃっ」 　少年の精液が僕の直腸内で暴れ、僕はその見知らぬ感覚に、腰を逃げさせる。 　それを許さぬ強さで少年の手が、僕の性器を握りしめ、僕は声もなく絶叫した。 　「―――――!!!あひっあぎっあぎっ」 　次の瞬間早くなったﾋﾟｽﾄﾝに、僕の声が途切れた。 　カリが、前立腺を擦り、亀頭が最奥をがつんがつんと貫く度、ジュチョジュチョと精液と腸液が合わさった粘液が音を出した。 　「あっあっあっあっ」 　更に加速する追撃に、その音がﾇﾁｮｯﾇﾁｮｯﾇﾁｮｯﾇﾁｮｯと速まる。 　「あひぃぃぃぃっ！ｲｸｲｸｲｸｲｸｲｸｲｸｲｸｲｸ――――――――!!!」 　僕の絶叫を電車の走行音がかき消し、灼熱の欲望が、僕の最も深い場所で再び爆ぜた。