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第6話 少年おだやかに就職面談する

僕は就職面談ではあるけれど 穏やかというか和やかに面談している。 とりあえず今日に至るまでの暮らしや こちらに来てからの事を話して スキルなどについても話していった。 「僕はこの世界で生きていくために  手に職が欲しいです。  ゆくゆくは伴侶さんに出会うのでしょうが  いつになるかも分かりませんし  生活を伴侶さんに頼り切りになるよりも  自分でも働ける様になりたいんです。」 そう言うとマーサさんもマシューさんも にっこり笑ってならば丁度いいと 言ってくれた。 「うちにはね息子がいるんだけどね。  王都の方でありがたくも警備隊で  働いているからね。  私達の店は私達がいなくなれば  閉めるしかないし、技術も渡す事も  ないのよ。  絶対に継承させたいという欲求も  ないから弟子もいないし、  それでも良いわって話してたんだけど  あなたの為になるなら私達の知識と  技術を教えていきましょうかね。」 とマーサさんから言われた。 マシューさんからも 「何も残さず消えるのも良いけれど  残せるのならそれはそれで  嬉しいことだからね。」 と言われた。 ちょっとしか話してないのに なのに優しくて温かくてなんだか 僕の胸はちょっと苦しかった。 目もちょっと熱いと思ってたら 涙が出てたみたいだ。 マーサさんはあらあらと言いながら ハンカチを貸してくれた。 マシューさんは何も言わず優しい顔で 僕が落ち着くのを待っていてくれた。

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