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第7話 少年仕事をする(2)
僕の修行の進み具合も順調だった。
紙があるので自分で聞いた事を
メモして帰って清書して自分用の
覚書を作った。
マシューさんは失敗しても良いと
何度も練習もさせてくれるし
その都度注意事項とかも丁寧に
教えてくれた。
僕こんなに丁寧に仕事を教わるの
初めてだったから最初は凄い
出来てないからだと思って
焦って失敗とかしちゃったけど
マシューさんがすぐ僕に気づいて
これが普通であって僕が受けてきた
扱いをする人は少ないそうだ。
弟子の出来がそのまま師匠の教え方
っていうのに直結するから下手な
教え方はしないらしい。
調合に使う材料は様々あったけど
びっくりしたのは群を抜いて
使用頻度が高かったのがスライムの
生み出すスライムジェルだった。
このスライムジェルって加工も
しやすいし、色んな用途で使われてる
そうだから実に興味深い。
スライムジェルの可能性は無限大らしい。
色々試してみたいな。
仕事の合間にマシューさんに話して
ああでもないこうでもないと
相談しながら孤児院用にお散歩カーを
作ってるとこ。
比較的小さい子が多いからお散歩も
大変らしいって聞いて僕のいたとこでも
あったお散歩カーの事を思い出して
作ることにした。
いくら比較的安全でも人さらいとかが
ないとは言い切れないだろうし
ランみたいに迷子になる子も
出やすいだろうから移動だけでも
負担が軽くなればいいなと思う。
とりあえずお散歩カーが出来るまでは
ロープを結んで電車ごっこみたいに
したらどうかと提案したらチビ達が
喜んでたからお散歩カーが出来るまでは
電車ごっこで代用してもらってる。
あとはマーサさんと鍋敷きとか
鍋つかみとか縫ったりして商品
増やしたりしたりハーブの世話を
したりとなんだかんだと僕の生活は
優しい人たちのおかげでとても
満たされてる。
こんなに穏やかに仕事とかきっと
地球じゃ出来なかっただろうから
僕恵まれてるな。
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