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第11話 飛び込む

その日も全力で疾走する。 そして食事をして体を休める。 あぁもうすぐだ。 もうすぐ会える。 早く会いたい。 俺の番はどんな姿で どんな声でどんな人なのか。 番の事を想うと気が急いて 仕方がない。 もうすぐで番がいる町に着く。 町まで付けば探すのはきっと そこまで大変じゃない。 惹きつけられるままに行けば 会えるだろう。 見つけたらなんて声をかけよう。 こちらの人間ではないだろうから 自分を見たら驚くだろうか。 怖がられたらどうしよう。 獣人は嫌だろうか。 獣体も受け入れてくれるだろうか。 早くこの手で抱きしめたい。 と考えてハッと思い出した。 そういえば俺に片割れの話をした 男が言っていた。 依頼をこなして家に帰ったら 依頼中風呂に入れなかったから 番に獣臭さが酷いと言われて 思った以上のダメージを受けたと そう言っていた。 これはまずくないだろうか。 俺は山をひたすら走ってきた。 まずいな。 けど、このまま町に一度寄ると 番のとこにたどり着くのが大幅に 遅れてしまう。 そうだ水場を探そう。 休むのもそこそこに立ち上がり 水の気配を探して走り水場を探し そこまで深くない滝つぼを見つけ 走る速度は緩めずそのまま飛び込んだ。 水の中は陽も高くなっており そこまで冷たくない。 人型になり体をしっかり洗い 上がった。 また獣体に戻り水気を飛ばし 陽の当たる場所で毛を乾かす。 危なかった。 思い出して良かった。 折角会えた番に臭いとか言われたら 気を失いそうだ。 あまり休んでないから 出発する時間は少し遅らせよう。 そしてその後はそのまま番のいる 町に入って番を探そう。 予定を確認して出発する時間まで ゆっくりと休めた。 もうすぐで会える。

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