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第14話 少年、旦那(予定)と団欒する(2)
ぼっ僕ってやつは!!!!
初対面でぎゅうぎゅう抱きついて
泣きじゃくるってどうなの!!
はっ恥ずかしい!!!
顔があげれないよ!
絶対真っ赤になってる。
けどかつてない安心感のせいで
どうしようもないんだよぉぉ
今この瞬間も適度にぎゅうって
包まれてモフい尻尾まで巻き付いて
控えめに言って最高に気持ちいい
何これ抗えない無理無理
無意識で頭をグリグリ押し付けて
いたみたいで頭の上から
楽しそうなイケボの笑い声がする
顔はあげられないけど話はしたいから
グリグリしたまま話すことにした。
「あっあのエレムルスはユキヒョウ
なんだよね?」
「そうだよ。何か気になる?」
「ユキヒョウって寒い山の上が生活圏
だって聞いたんだけどあってる?」
「そうだな。比較的寒い地域に住んでは
いるけど動物のユキヒョウとは違って
いうほど山の方には住んでないな。
生活化しにくいから寒い地域の町に
住んでいたりする方が多いかな」
「そうなんだね」
「まぁ山の方に集落を作ってるやつも
たまにいるけど、大体は町だな」
「エレムルスも町に住んでた?」
「俺は仕事柄外で野営が多かったから
拠点として町で宿を借りて生活して
いたが小さい頃は町だったな」
「そっかぁ、そう言えばエレムルスは
今何歳なの?僕はね17歳なんだけど
僕よりは上かな?」
「俺は20だな。ノゾムは年上でも
大丈夫か?嫌じゃない?」
「え?全然嫌じゃないよ!」
「そうか、なら良かった」
「何かね初めて会ったのにこんなに
安心して穏やかに過ごすのって
生まれて初めてでソワソワしてる」
「そうだな、俺もこんな穏やかな
気持ちで過ごすのは初めてだ」
「そうなの?」
「ああ、いつもどこか足りないって
思いながら生きてきたから今は
ノゾムをこうして抱きしめて
満たされてる」
「そっか....そっかぁ!何か何だろう
くすぐったい気持ちがする!
嬉しいなぁ」
そう言うと少し抱きしめる腕に力が
入ってより密着してそれが幸せで
くふふって変な笑い声が出た。
そしてしばらく他愛もない事を
話しながらもくっついていたが
段々と具体的な話になり!結婚の話
などをしていた時に夜のアレの話に
なったのだ。
獣人であるという事でそこまで動物と
同じではないけれど、結構な頻度である
事がわかった。
唯一無二の伴侶に対する執着というか
マーキングの意味もあってお強いらしい
だが!しかし!!
結婚しました!ガンガンいこうぜ!
とはならないのである。
この異世界の人の体がどうなってるか
知らないが僕の異世界産の体は
何の前準備もなく結婚しましたー
今日からどうぞよろしくー
とは出来ないのだ。
何より僕はチェリーボーイである
無理無理!!!
他の人のとかまず見たことないから!
というお話をアワアワしたところ
めちゃくちゃ笑顔でじゃあ、今日から
慣らしていこう!大丈夫!間に合う!
と言われてハイしか言えなかった。
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