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第1話 少年異世界に立つ(1)

頬に当たる風と柔らかな陽に刺激され いつもと違う感覚にゆっくり目を開けた。 「は?」 あまりの有り得ない状況に声が出ない。 寝袋のまま腹筋を使い起き上がる。 左側に森、右側は見渡す限りの草原。 その中間に位置する場所に 寝袋で横たわる自分。 「え?なにこれ!?」 どの位経っただろう。 流石につねったりし過ぎてほっぺが痛い。 これがあのまさかの異世界トリップ....... 異世界トリップだよね? 異国トリップとか異界トリップとか じゃないよね?? 「いや、どれでも良いけど  それより僕裸足なんだけど  こういう時ってあれだよ!!  なんだっけ....えーっと  あっ!!!アイテムボックス!!!!」 しーん。 違ったらしい。 オーケーオーケー落ち着け! ちょっと違ったらしい。 自分を知れば良いんだよ! そうだった! ここはステータスどうのじゃなくて 鑑定とかそういう感じで良いんじゃない? 読んだことあるやつ最近のは 鑑定って言ってんの多かったもんな!! 「鑑定!!!」 『草:ただの草。』 「違ったあああああああ!!!!!」 アイテムボックスに続き失敗で 恥ずかしくなって一人で寝袋のまま ゴロゴロ転がりまわることしばし 「ステータスオープン」 『名前 桐谷希望  年齢 17  種族 人族  職業 職人  レベル 3  生命 250/250  体力 300/300  魔力 1500/1500  スキル     鑑定     毒耐性     直感     気配察知     気配隠匿     幸運     収納  称号 招かれ人』 んー?思ってたのとなんか違う。 スキルってレベルとかないのかなぁ。 あっ!あぁぁ収納!なるほど収納ね!! 称号とかも意味分かんないけどまぁいいや。 けど何も説明ないからどうして良いか さっぱりわかんないなぁ。 好きにして良いのかなぁ? とりあえず動きたいから 収納見てみたいと思ったら頭の中に 収納に入ってる物が浮かんだ。 お金もちょっと入ってるみたいだけど とりあえず必要な物を取り出していき 買った覚えないけど服を着替えて 靴を履き寝袋等を収納にしまい カバンを斜めがけして座り込み パンを食べながら中に入っていた 世界の歩き方という本を開くと 『招かれ人へ』と書いてあった。 とりあえず朝っぽいし 時間も大丈夫だろうと思って 読みふけることにした。

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