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第2話 町に着いた少年(1)
天気も良いし、気候も春っぽくて調度良いし
小枝を拾って振り回しながら散歩みたいに
歩いてたら何か段々楽しくなって
有名アニメの歌を気分良く歌ってたら
3回石につまずいて転んだ。
「異世界恐ろしいな!
これあれだ!!
孔明の罠だな!
って孔明の罠ってなんだよ!」
顎に指を添え渾身のキメ顔で言ってみたけど
孔明の罠の使い方あってるかわかんないし
特に反応あるわけじゃないから自分で
ツッコミ入れてみた。
「ちょっとぼっち寂しい」
それからは控えめに歌いながら歩き続けた。
水分補給しつつ2時間位で町が見えてきた。
「普通なんか襲撃とかありそうだけど
これが物語と現実の違いか」
懲りずにかっこつけてみたけど
誰もいないからほんとに虚しくなってきた。
まぁ怖い思いしたくないから
何もなくて問題ないどころか嬉しいけど
ブツブツ言いながら近づいて行くと
入口の所に門番みたいな人が2人立ってた。
「ようこそカリムの町へ。
こちらにはどうのようなご用件で?」
みたいな人じゃなくて
普通に門番さんだった。
ラノベの様な感じではなくて
接客業みたいに丁寧に話しかけられて
ちょっとビックリした。
「あっえっと。こんにちは。
僕招かれ人という者らしいんですが
今朝早くに気づいたらここにいたんで
地図見ながら来たんですけど
信じて貰えますか?..ね?」
招かれ人という者ってめっちゃ怪しくない?
僕不審者極まりないけど大丈夫?
ちょっと不安になりつつも聞いてみると
門番さんは僕の言葉に
ちょっとビックリしたみたいだけど
すぐに笑顔で対応してくれた。
「はい。こんにちは。
大丈夫です。信じますよ。
招かれ人ということは
本をお持ちですか?」
「あっはい!あります。これです。」
町が見えた時点でしまってた本を出して
門番さんに渡したら中を開いて確認して
すぐ返してくれた。
「確認出来ました。
改めてようこそカリムの町へ。
招かれ人の方はこちらで仮の身分証を
発行しますのでそれを持って役場に
行って頂ければ正規の身分証を
発行しますのでこちらの方へ
お願いします。」
本を確認した門番さんが
入って左手の小屋の方に
案内してくれたので付いて行くと
中にも3人同じ格好の人がいた。
なんか小さいみどりの窓口みたい。
中の人も丁寧にこんにちはと挨拶を
してくれたので挨拶し返すと
案内してくれた門番さんが窓口の人に
説明してくれた。
「では、こちらにどうぞお座りください」
促され窓口のとこにある椅子に座ると
案内してくれた人は軽く挨拶した後
戻って行った。
それを見送ってると窓口の人から声を
掛けられたので座り直す。
「改めまして。こんにちは。
私は衛士のモーガンと申します。
先程軽く説明して貰いましたが
もうちょっと詳しく聞かせて
くれますか?」
マジですごい丁寧。
しかも、めっちゃ爽やかに笑顔とか
門番ってこんな接客に慣れてんの?
慣れてんのかな?門番って一番人に
会いそうだしな。
いやけど、めっちゃ無愛想な店員とか
普通にいたもんな。
やっぱすげぇ!接客のプロだ!
「聞いてますか?
どこか具合でもお悪いですか?
大丈夫ですか?」
いらん事考えてたらめっちゃ心配されてた。
人の話無視しちゃだめだよ僕!
「すっすいません!聞いてます!!
ちゃんと聞いてます!大丈夫です!
どこも具合お悪くありません!って
お悪くありませんってっ!!!」
やっちゃったよ!
つられて言っちゃったよ!!
しかもセルフツッコミまでしちゃったよ!
勢いよく言いすぎて受付してくれてる人
びっくりした上に笑ってるし。
「ふふっ。そうですか。
お元気そうで何よりです。
ではお話お聞かせ願えますか?」
「はい。分かりました。」
めっちゃ恥ずかしかったけどサッと
流してくれるとかデキる!
これあれだ!モテるタイプだ!
これ僕もどっかで真似しよう!
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