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第4話 少年町を散策する(2)

特に買う物がなかったからそのまま おまけになった鉄貨分でふわふわした まんじゅうみたいなのと飲み物を買って 昨日と同じく広場で日向ぼっこしながら 食べてたら斜め後ろから視線を感じた。 ゆっくり振り返るとめっちゃ可愛い 子供がこっちを見ていた。 僕と目が合うとビクッとしたけど それでもまだ見てくる。 何か院にきたばかりのチビ達みたいだ。 ちょっと懐かしい気持ちがした。 けど、チビ達にないものが付いてた。 そう!!!!ケモミミだ!!!! 獣人さんじゃないか!!!!! めっちゃ可愛いな!!!! ちょっと体を斜めにしてチビの目線に 合わせてからにっこり笑ってみた。 ハッとした表情をした後にっこり 笑うチビがまた可愛い。 そのままチビに手を差し出した。 「こっちおいで」 そう言うとチビは小さい尻尾を 振りたくりながら走り寄ってきた。 走る姿もめっちゃ可愛いな。 しかも途中から両手広げながら 走り寄ってくるのは獣人も一緒らしい。 飛び込むように僕に突進してきた チビはポフッとした感触でめっちゃ軽い。 そのまま脇の下に手を入れてちょっと 持ち上げて左腕にお尻を乗せて 右腕で支えてやる。 「おぉちびちゃん可愛いなぁ  お名前は?」 「ぼくのなまえはランだよ!  おにいちゃんは?」 「兄ちゃんはノゾムだよ。  ラン一人でどうしたの?  誰か一緒じゃないの?」 「んーとね。  みんなといっしょだったけど  いなくなってたぁ。  さがしてたらおいしそうで  みてたらおいでっていわれた」 おぉ要するに迷子じゃん! しかも焦ってすらねぇ!! 大物なのかのんびり屋なのか 「そっかぁ。  じゃあ、とりあえず  まんじゅう一緒に食べてから  みんな探しにいこうか」 そういうとキラキラした目で 頷いてた。 おまけに尻尾もブンブンしてた。 あーチビはどんなチビでも みんな等しく可愛いわぁ。 しかも何か犬っぽいしチビなうえに アニマルセラピーも出来てるとか 最強すぎて僕にやけそう。 とりあえず胡座で座ってるとこに チビを座らせて一緒にまんじゅうを 食べながらランの話を聞いてたら ランは教会にいる孤児みたいだ。 僕と一緒だねぇって言うと喜んでた。 一緒って好きな子供多いけどランも 好きらしい。 痛くないようにちょっと隙間作って 座らせてるから僕とランの間で尻尾が ブンブンしてくすぐったい。 まんじゅうも食べ終わったから 手をつなぐのもちょっと大変だし 抱っこして屋台の人に教会の場所を 聞いてランと話しながら向かってると 教会の近くに来たところでシスター みたいな人がキョロキョロしながら 彷徨ってた。 あぁ多分ランを探してるんだろうなぁ。 ランにも教会までの道すがら勝手に 皆から離れたことを注意したりしつつ 来たけど改めてシスターの姿をちゃんと ランに見せた。 「ラン。ほら見てみ?  シスターめっちゃ心配してずっと  探してくれてるのわかる?  シスターの顔見えるよね?」 そう言うとランはしょんぼりしながら 小さい声でうんと返事をした。 ランにちゃんとごめんなさいするって 約束させてからシスターに向かって 声を掛けた。 シスターはこっちに気づいた瞬間 ランもいるのに気づいて走ってきた。 息を切らせながらも走ってきたので こちらからも寄って行く。 「はぁっはぁ...んっ....ランくん!!!」 「ほらっラン言うことあるでしょ?」 「あっう...しすたーごめんなさいぃぃ」 謝りながらランが泣き出した。 ちゃんと悪い事したって自覚も出来た みたいだし良かった。 「ランくん本当に心配したのよ!  もう一人で離れちゃダメですよ!!!」 「あ゛い゛ぃ゛...う゛ぅ゛」 「ここまでランくんを連れ来て  くださってありがとうございます。  あのお名前を聞いても宜しいでしょうか?  私は教会のシスターをしております  サラと言います」 「あっいえいえ。  僕は桐谷希望といいます。  たまたま広場で会ったんで一緒に  きただけなんで無事にお帰し出来て  良かったです」 挨拶したあとランをシスターに預けようと するとランが離れなくて結局後日教会に 行くと約束することになった。 うーん。 チビ達好きだから行ったら通いまくる自分が 想像出来てしまう。 まぁたまに遊びに行くくらいは良いかなぁ。 とりあえずは仕事を見つけるのが一番だし。  

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