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契約 02
全てを理解するまで、あと数分。
「んで、この紙一体なに?」
もはや興味のカケラもなく横に置かれた冊子をペラペラと捲る。
読んだら分かると言うだけで大神は何も教えてはくれず、俺の顔をじっと見つめて動かない。
こんな紙ペラに一体何が書いてるって言うんだよ、と半分馬鹿にしながら目を落としたその先。
目についたのは『パートナーズ契約』の文字だった。
「......は?え?お前....マジかよ....」
慌ててサインした2枚を見ると、そこには”契約書”と
”パートナーズ契約 申請書”の文言。
そして契約書には一言、
『今後何があっても大神優斗の言う事は絶対である』
....と。
「〜〜〜〜!!!なんなんだよこれ!!!!」
「1枚は俺との契約書、もう1枚は学校に申請する書類だ」
「そんな事を聞いてるんじゃない!!!」
見たまんまだろ?とにこやかに笑う目の前の男に改めて殺意が芽生える。
読む前にサインしろだなんて明らかにおかしかったのに。
なぜ考えることを放棄してしまったのだろうか。
相手はあのオオカミ会長様だぞ。
自分のアホさ加減、そして引っ掛けられた怒りに思わず相手の胸ぐらを掴み上げる。
奴のにこやかな笑みは一向に崩れない。
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