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嘘の代償 01
「.......もういいだろ」
「へ.....?」
頬を撫でながらしばらくじっと見下ろしていた大神が不意に呟いた。
突然すぎる呟きを俺は全く理解できなくて、めちゃくちゃ気の抜けた声が口から飛び出す。
もういいって何が。
一体何を言ってるんだこいつは。
頭の中にあった作戦だ何だは何処かへと吹っ飛び、そんな問いがグルグルと頭の中で渦巻いて思考が纏まらない。
「ちょ、...な、何し....て......ッ」
状況を飲み込めずにぽかんとする俺に構うことなく、
大神は俺の膝窩に手を入れ脚を持ち上げた。
腰も若干持ち上がったことで孔が大神に向けて露わになりカッと頬が熱くなった。
今までの人生でしたことの無い体勢に羞恥心やら屈辱感やらで胸がいっぱいになり感情が掻き乱される。
そして大人しくしようと思った決心は何処へやら。
気づけば抑えていたはずの暴言の嵐が次々と飛び出していた。
そんな様子に対して「してやったり」とでも言うような笑みを漏らす大神。
そして冷たい何かが後ろに目一杯塗りたくられる。
何が何だか分からないままにいきなり冷たい物が肌に絡みつき「ひぃッ!?」と引き攣った声が漏れる。
そしていつの間に完成させてたのか。
熱を持ち硬くなった己の息子を押し付けてはゆっくりと腰を押し進めてきた。
((ああ.....やばい、ヤられる.......っ!!!!))
ここまで来て漸く自分の置かれた状況を本当の意味で理解した。
だからといってこの手の知識は全くない。
もっと言えば俺にその気は全くない。
至って一般的な健全男子。
なのに......っ
使ったことの無い場所が、サイズの合わない突然の侵入者に対して小さく悲鳴を上げ始める。
「ヤメロッ!!ま、待っ......」
「何するつもりかって聞いてたよなぁ......
だから教えてやるよ、お前が俺の獲物(エサ)だって事の意味をな.....ッ!!」
「〜〜〜〜〜ッ!!!!?!?」
耳元で大神がそう呟いた次の瞬間。
突然襲った言葉にならない痛みに悶絶し全身が強張った。
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