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獣の本性 02

「....よくもやってくれたな....お前」 「ふはっ、きったねぇ....!ざまあみやがれ!!」 とっさの反応を見せた大神だったがあの至近距離だ。 流石に避け切れなかったらしい。 頬についた唾を腕で拭い、光のない眼とは逆に怒りの炎が宿ったかのような眼で睨みつけてくる。 「おやぁ〜優等生がらしくない顔してるなぁ〜。いつから不良くんに成り下がったんだ、生徒会長さまぁ?」 「......てっ....めぇ.....ッ」 嘲笑うようにクスクスと笑う俺に対して更に怒りを募らせていく大神。 怒りゲージが急上昇しすぎてその様子がまるで手に取るように分かる。 「人の神経逆撫でしてせっかく抑えてる怒りをわざわざ煽ってんだ、それ相応の覚悟できてんだろーなクソ餓鬼」 「ッ、......さぁ....?なんの話かわっかんねーなクソ狼」 「......態度を改めるつもりはない、と。お前がその気ならいいだろう、本気でやってやろうじゃねーか」 そんな怒りの中でも大爆発せずあくまで冷静を保つ大神。 この表出している冷静さと本心の怒りとの差がこの後にどう影響を及ぼすかは計り知れない。 現に言葉は怒りに任せずあくまで冷静だが身体は怒りに正直で。 ほんの少し前まで突っ込んだまま動かなかった腰を動かして軽く抜き、今は突き上げ準備完了状態。 さらには脚を掴む手にも力が込もってる。 ((こいつ.....ぶち犯す気満々じゃねーかよ......っ)) 「今度は泣いても喚いても止めてなんかやんねーから」 「......っ」 『....覚悟しとけ』 耳元で低く、そう一言呟く大神。 大神にとって俺への躾という名の嫌がらせが遊戯だと言うのならば、俺にとっては大神を怒らす事こそが遊戯だ。 俺に降参を言わせ、屈服させ、自分の思い通りになる獲物に躾ける遊戯。 決して屈せず、抵抗し、言いなりになるどころか神経逆撫でして奴の怒りを大爆発させる遊戯。 お互い挑むは正反対の遊戯。 しかし正反対であっても勝敗はただ一通りしかない遊戯。 「さぁて....愉快な遊戯を再開しようじゃねーか」 「あぁ......望むところだ....!」 そう宣言すると同時に、奴は再び俺の奥へと割り入ってきたのだった。

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