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鬼の形相 04
「.....というわけで大神のところにいた」
「そう.....でもそれならここに連れてきてくれたら良かったのに...」
連絡出来なかった理由を渋々ながら納得したらしい湊。
それでも不満げに頬を膨らませている。
まあそんな面倒なこと彼奴がするわけないだろうけどな。
「俺言ったよね、部屋に帰らない時は誰とどこに居るのか連絡してってさ。.....あの日....約束したじゃん」
「....お前は俺に対して過保護すぎだっての」
「だって!....煌は危なっかしすぎるんだもん.....
あの日のこと忘れたわけじゃないでしょ!?」
「ごめんってば」
今回は仕方なかったのかもしれないけど、と譲歩する湊。
それでも心配性で過保護なのがこの湊という男。
案の定食い下がってくる。
湊が俺に対して異常なほど過保護になったのは
2年前に俺がとある事件に巻き込まれてから。
他校の不良に絡まれる事はそれまでも沢山あった。
けれどある日。
どこの誰かも分からない奴らに知らない場所に連れていかれた上に閉じ込められて寮に帰れなくなった。
所謂、拉致・監禁。
寮生は外泊許可を取らない限り原則外泊不可。
必ず寮に戻らなければならない。
だから門限を過ぎても帰ってくる気配が無く、連絡もつかないことに不安を感じた湊がすぐに動いてくれた。
そのおかげで何事もなく俺は発見され、拉致されてから2日後に無事寮へと帰還することができた。
誰が犯人だったのかも、目的も分からない。
誰に聞いても分からないとだけ言われた。
もしかしたら俺が知らないだけで湊は知ってるのかもしれない。
そう思って聞いたこともあったが知らないと言われた。
真相はもう分からない。
ただ1つ確かなのは、あの日を境に湊が以前にも増して
過保護になったという事だけだ。
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