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再選択 01
大神の向かった先は生徒会室内の仮眠室。
部屋に入ると奴は真っ先に部屋の鍵をかける。
そして俺をベッドに放り投げた。
「ぃってーな!もっと優しく扱えないのかよ!!」
「さっきは嫌がってたくせに次は女扱いされたいのか。
意味不明な奴だなお前」
そうじゃない!と噛み付くとじゃあ酷くして良いんだ?と返され、またそうじゃない!と返す。
エンドレスに噛み合わなさそうな会話に頭痛がしてきた。
意図的なんだろうけども。
「女扱いされんのと酷くされんの、どっちか選べよ」
馬乗りでベルトに指をかけられながら問われる。
俺優しいから選ばせてあげる、と如何にもな事を言ってのける目の前の男に心の底からため息が漏れる。
どの口が言ってんだ、ボケが。
蹴飛ばしてやろうか。
「どっちも嫌に決まってんだろ...!」
「じゃー残るは式典に出るの一択だね、おめでとう」
「は!?なんでそうなる!!?」
「お前にある選択肢はまず式典に出るか否か。そして優しくされるか酷くされるか。その3パターンのみだからな」
当たり前だろ?と
指を立てながら示す選択肢に開いた口が塞がらない。
どれを選んでも最悪な選択肢じゃないか。
まるで全てジョーカーの手札から1つ良い手札を引けと言われてるかのよう。
選択肢なんてあってないようなものじゃないか。
「あーでも、何されても出ないって言ってたっけね。
じゃあ酷くされるの一択しかないかなあ〜」
クスクス笑いながら言ってのける狼に血の気が引く。
そういえばそんなこと言ったっけな。
何も考えずに勢いだけで出た言葉。
それが....こんな形で帰ってくるとは。
「言ったでしょ?後悔させてあげるって」
「なっ....ぁ、ちょ、待っ....んんッ、ぁッ.....ふ」
にこやかに悪魔の笑みを浮かべながら言い放つ狼に為す術もなく再び服が脱がされていく。
ポイっと脱がされた服が宙を舞い、部屋に散乱していく。
そして2度目の激しいキスに襲われる。
『何されても、ねぇ....』
『その答え、今すぐ後悔させてやるから覚悟しとけ』
何をされても、もう俺に拒否権はない。
自らそう言ってしまったから。
“これ”が終わる時は俺が式典に出ると約束した時。
それ以外に止めて貰う道は存在しない。
自分で閉ざした逃げ道。
後悔してももう後戻りはできない。
俺がどこで妥協するのか.....
全てはそこに掛かっている。
『どこまで耐えれるかな』
あぁ、あれはそういう意味だったのか。
遊戯の意図を漸く理解した。
そして大神の宣言通り自分の選択を心底後悔している。
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