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最終選択 01

確かに止めてくれたことは助かった。 もしあのまま続けられてたら.... 与えられる快感に耐えられた自信がない。 何を言いだすか分からない。 何をしだすか分からない。 “その先”を想像してぶるっと震える。 というか! あれ以上醜態を晒すなんぞお断りだ....!!!! そんな怒りと羞恥で顔が熱くなりながら 携帯に向けて伸ばした手は届かず空を掴む。 「ざーんねんでした」 「性悪....っ」 「なんだ今更だな」 俺の手が届かない位置に腕を挙げニヤニヤと笑われた。 乱れた証拠は大神の手中。 取れるものなら取ってみろ。 そう言わんばかりにひらひらと揺らしている。 よりによってこの性悪狼に撮られるなんて。 ....最悪だ。 消えれるなら消えたい。 穴があるなら入りたい。 あいつの手と口で気持ちよくなってしまった自分が恥ずかしい。 けど、大神も大神だ。 あり得ないほど趣味悪い。 狂ってやがる。 マジで.....ありえない。 歯を噛み締めて睨む俺を鼻で笑い、何かを思い出したように辺りをキョロキョロする大神。 しゃがんだと思ったらガサゴソと俺の鞄を漁りだした。 「ちょ、ちょ、何してんだよ!!」 「んー、ちょっとなー」 慌ててベッドから飛び降り止めようとする。 けど時すでに遅し。 鞄から携帯を取り出し、なぜ知ってるのか勝手にロックを解除して操作をし始めた。 「ちょっとなー、じゃないんだよ!! てか何でロック解除の番号知ってんだよ!!?!?」 「んー、盗み見?」 「盗っ...!!!?!?」 開いた口が塞がらない。 盗み見??? ぬ・す・み・み???? ふざけてんの.....????? 取り返そうと背後から必死に手を伸ばす。 けれども大神の手にある携帯には1ミリも届かない。 伸ばしても伸ばしても逃げられる。 諦めずに手を伸ばしながら画面を覗き見ると。 背中越しにチラリと見えたのは『新規連絡先』の画面。 続いてLINeの友達欄に『大神優斗』の文字。 「早く返せよ!!!」 「ほらよ、お望み通りどうぞ」 「う、ぉっ」 結局最後まで取り返せはせず。 用が済んだ大神が渡してきて漸く手元に帰ってきた。

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