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体育 04
悩みに悩んだけど答えなんか出るはずもなく、
どう足掻いても授業は始まってしまう。
今日は先輩後輩で親睦深めるぞーなんて言い出しグループ分けをする教師。
このグループ分けがまた最悪で。
誰が仕組んだのか大神と一緒になり湊とはバラけてしまった。
いやだっ、湊と一緒がいい!なんて喚く俺の襟を掴んで
はーい君はこっちね〜と容赦なく引き剥がす大神。
そのままずるずるとグループの円に連れてかれた。
尚且つ座らされたポジションは大神の横。
お陰でぶすっとムクれた俺は絶賛そっぽを向いている。
「.....なんで選りに選ってお前と同じグループなんだよ、クソがっ」
「なに、俺と一緒で嬉しいって?そーかそーか」
「んなこと一言も言ってねーよ!
耳悪いんじゃねーの、聴力検査してもらってくれば??」
ため息をつく俺と裏腹に楽しそうな大神。
ぐるりとグループを見ると各学年4人ずつ。
大神以外に知ってるやつは居ない。
いや、まあ実際は半分クラスメイトだけど。
順々に軽く自己紹介。
へー、こんな奴いたんだ。なんて興味なく聞き流した。
再度ため息をつき、ちらっと湊を見る。
ひらひらと笑顔で手を振り返され、
口パクで『よかったね、がんばれ』と言われる。
なんも良くねーつの。
最悪すぎるわ。
自分だけ楽しそうなその様子にイラッとする。
「はぁ....マジで最悪。サボろかな」
「なに、俺がそれを易々と許すとでも思ってんの」
「ですよねー....」
自己紹介の済んだグループから各々自由に遊び始める。
そのまま遊び始める所もあればボールを使ってゲームをし出すところもあり。そのままお喋りを続ける所もあり。
俺たちのグループはお喋り続行班で、つまらなさすぎる時間にため息と愚痴が漏れ出る。
「もっと楽しそうにしろよ」
「....何言ってんの、お前がいる時点で不可能でしかねーよ」
他の奴のそばに行けば良いものを。
俺の横から離れずぺちゃくちゃ話しかけてくる。
大神と話したそうにうずうずキラキラした視線を向ける
女子たちの方にでもさっさと行けばいいのに。
あからさまな不機嫌オーラを醸し出してもなお近寄ってくるこの神経の図太さは何なのだろうか。
これもわざとか。
嫌がらせか。
一歩離れるたびに一歩近づいてくる。
二歩離れれば二歩近づいてくる。
「なんで付いてくるんだよ!」
「なんでって...お前が逃げるから」
「あったりまえだろ!近寄んなっ、クソオオカミ!!」
「じゃあ逃げないでよ」
「ざっけんな、どっか行け!!」
一向に離れる様子がなく苛立ちは募るばかり。
サボりたい俺は舞台まで逃げ、軽い身のこなしで飛び乗った。
「舞台には上がるな!」なんて先生の声が聞こえるけどとりあえず無視。
上がってこようとはしない大神を舞台上から見下ろす。
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