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無視の代償 01

あの日から俺が体育に顔を出すことはなくなり、放課後呼び出される以外に顔を合わせることはほぼなくなった。 その代わり呼び出しの連絡は増えた気がする。 けど連絡を無視し、呼び出しを拒否しまくってた結果。 あいつと顔を合わせる頻度は格段に減ってる。 その代わりと言っては何だが、大方の授業は教室内にいるようになった。 まぁ...ご存知の通り睡眠学習だけど。 でもどれだけ寝ても眠気はやってくるもので。 夕方の1番眠い時間。 欠伸を噛み殺しながら、俺は1週間ぶりに生徒会の仕事を手伝っていた。 理由はもちろん.....あの写真のせい。 「お前最近俺の呼び出し無視するよな」 「.....、」 黙々と手を動かす中、唐突に話しかけられる。 部屋に入ってからほぼ言葉を交わさず、顔も見ず、ただひたすらファイリングや片付け。 さっきからやたら視線を感じるな...とは思ってたけど。 話しかけられると思ってなかったから驚いて思わず手を止めてしまった。 「なに?会話も無視?」 「.....」 「....おい、なんか言えよ」 なんて答えよう。 別に特に理由があるわけでも原因があるわけでもない。 まさに”なんとなく”というやつ。 強いて言うなら”鬱陶しい”。 あと”取り敢えず会いたくない”。 あとは....会えば何されるか分かったもんじゃないから。 まぁどちらにしよ 大神を怒らせる回答でしかないから却下。 じゃあその他。 ....と悩んだところで。 彼が納得しそうな理由は思いつかない。 「あーそーかよ、そんな口利きたくないってか。 だったらその口無理矢理にでも開かせてやるよ」 黙りの俺に痺れを切らした大神が溜息をつきながら俺の腕を掴んだ。 そしてあっという間に隣の部屋へと押し込まれる。 いや、ちが、そうじゃな...なんて弁解してみるけど腕を掴む手は離れない。

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