40 / 101

【角】第40話

発情した成が連れて行かれたのは、河埜家ではなく、里弓が暮らしをしているマンションだった。 このマンションに住み始めたのは、里弓が大学に入る時だから、すでに四年目。引っ越した時に一度招待されて以来、ずっと許可が下りなかったので、久しぶりのお宅訪問になる。 部屋の感じは随分と変わっているようだが、今の成にじっくりと見て回るような余裕はない。 「ん、んっ―――」 立ったまま真上から唇を塞がれて、首が痛い。逃れようにも、貧弱な体は里弓の強い力で拘束されていて、身動きができない。 涙の滲む目を開けると、ギラギラした顔の里弓がいた。 まるで、頭からむしゃむしゃと食べられる草食動物のようだ、と自分の事を思う。 「ふっ―――、あっ、りく、にぃ」 里弓の離れた唇が下りて、成の首筋を舐めた。下の衣服は脱がされており、長い指が成の素肌を這う。期待に膝が抜けそうだ。 「成。あれから、」 「ん、あっ、なに、ぁっ、」 孔の入り口を撫でられて、びくびくと体が跳ねた。里弓が声をかけてきたが、それより指の方へ気が向く。 「あれから、誰かに触らせたりしてねぇよな?」 「な、に―――あぁっ、」 ヌチャと音を立てると、里弓の指が抵抗なく中へ入ってきた。濡れた成の孔は、それを誘い込み飲み込む。 ―――きもち、い。 あれからずっと待ち望んでいた刺激に体が歓喜した。ガクガクと膝が震え立っていられない。不安定に揺れる成の体を、里弓の左腕が支える。 「はぁ―――んっ、ぁあんっ、もっと、」 成の中を動く里弓の指は、焦れるほど優しい。 ゆるゆると動かされるだけでは、貪欲な体はすぐに物足りなくなってきた。 もっと奥まで、隙間もなく埋めて欲しい。 「ぁはっ、はやく、りくにぃっ、」 すがり付き見上げると、里弓が不機嫌そうに顔をしかめる。 「おまえな。」 「ちょうだい、おくに、いれてってばぁ、」 「人の我慢を。」 里弓が忌々しそうに言うと、成の体を軽々と抱え上げた。部屋の中央まで運ばれ、ポイッと荷物のようにソファに落とされて、目が回る。 「もうっ、りくっ―――」 少し頭が冷静になり、文句を言おうとしたが、脚を高々と上げられ絶句する。 里弓の顔の真下で、成が脚を開いている格好だ。下半身は何も身に付けておらず、秘すべき場所が丸見えになっている。 ―――見られている。 理解した瞬間、ゾクゾク―――と、背筋に快感が走った。里弓に全てを見られている。それだけで達しそうになったのだ。 細かに震える成の孔からは、トプリと熱い液体が滴り落ちた。

ともだちにシェアしよう!