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【角】第42話

―――項だけは、噛むな。 それだけを唱えながら、河埜里弓(かわのりく)は飛びそうな意識を何とか繋いでいた。 「ぁあっ、あっ、」 獣と化した里弓の下では、柳小路成(やなぎこうじなる)が幼い体を震わせて啼いている。 何度目の絶頂だろうか。 数えてはいないが、恐らく両手では足りない筈だ。成の体力はとうとう限界のようで、ソファに倒れたままぐったりと動かないでいる。 「成、起きてるか?」 意識を失っているのではないかと思い、微動だにしない成に声を掛けつつ、里弓は体を引いた。 ズルズルと雄を抜くと、孔の壁が引き留めるように締め付けてくる。また突き入れたくなるのを耐え、一気に成の中から出た。 「ぁぅっ、」 成が掠れた声を上げる。 見れば、ビクビクと体を震わせて、孔からは白濁を溢していた。幼い従弟を汚した背徳感にぞくりとなる。 通常であれば自己嫌悪に襲われている事だろうが、まだフェロモンにあてられている最中だ。吐き出しても、吐き出しても、欲望が止めどなく湧いてくる。 里弓は再び手を伸ばし、白濁を流す孔へ指を突き入れた。 「はぁ、んっ、りく、」 「出さねぇと。」 言い訳のように呟くと、柔らかな成の中を指で探る。ぐるりと壁を擦ると、途端に甘い声が上がった。 「ぁあ、はぁっ、あっ―――、奥に、」 「奥?」 里弓が指で広げるように開けると、成の真っ赤な中が見えた。 「美味そう。」 「もう、見てないで。早く、りくにぃっ。」 成は横を向いた体勢で、里弓の指を飲み込んだまま、ゆらゆらと腰を揺らす。体を持ち上げる力もないのに、まだ男を誘おうとしている。 「止めた方がいいと思うが。」 「やだ。まだ、まだして。気持ちよくして。僕の中にいっぱい入れて。」 成がドロドロに溶けた顔で、里弓の思考を破壊してくる。 いったい、どこで覚えてきたのか。これがオメガの本能なのか。 「誰にもしないで、僕に、僕だけにして。僕だけ犯して。」 耳から言葉から視覚から匂いから、全てに誘われる。端から理性はないのだし、何より成からの誘惑に逆らえる筈もないのだ。 こんなのは、圧倒的に里弓の敗けだ。

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