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【龍】第75話
「ひ、ぃっ、」
ズチャ―――と、淫らな音を立てながら、灼熱の杭が成の細い体を貫く。あまりの質量に、意識が飛びそうになった。
猫のような格好でいた為に、腕から力が抜けて顔面が枕にダイブする。
「成?」
「―――ぁ、だいじょ、ぶ」
成は何とか意識を繋いで、背後の里弓へ答えた。ガクガク震える体がみっともない。腰を里弓の手に支えられているから、何とか膝は崩れていない状態だ。
「ぅあっ、ぅ、うご、いて。」
体内の雄は動かず止まっているのに、成はひとりで喘いでしまいそうで、里弓を急かした。ひどく感じている。
気持ちが伴ったからか。
好きで好きで仕方がないのだと、後からどんどん自覚する。
「里弓にぃっ。」
「ああ、ゆっくりする。」
焦れるほどに優しく里弓が動く。
―――酷く、抱いて欲しい。
優しくされるのは嬉しい。
けれど、自分ばかり欲しがっていると、気持ちの差を見せつけられるようで。
「ぁあっ、ぁあっ!」
奥を突かれて、悲鳴のような声が出た。こんなに声を上げていたら、隣室の春日に聞こえてしまう。
成は再び枕に顔を埋めて、必死で声を殺した。
「ふ、ぅんっ、んっ、」
「おい、声出せ。」
「んんっ―――」
出さない―――と、成は枕に顔を埋めたまま首を振った。
すると、里弓の手が前に延びて、成の幼い欲望を包み込み―――。
「いぁあっ!?」
突然の痛みに叫んだ。
里弓の手が、成の雄をぎゅうっと握っているのだ。痛みに身を捻り抵抗すると、里弓の左手はあっさり離れた。
「―――ひ、ひどっ」
「おまえが、声、出さねえからだろ。」
「だって、聞こえちゃう。春日さんに。」
「聞かせりゃいいじゃねぇか。」
絶句する。
「隣に聞こえるくらい従兄と楽しんでますって。そうすりゃ、さすがに諦めるだろ。」
そうかもしれない。
従兄相手に盛ってる姿をしれば、春日も成を番にする気などなくなるだろう。
自信満々に言う里弓の言い分に納得しかけてたが、ハッと我に返る。
―――いやいや、そうじゃなくて。
春日から母へ話がいき、里弓との行為を知られてしまえば、河埜家に何をしてくるか分からない。
「というワケで、我慢せず啼け。」
「ちょっと、まっ―――ぁあっ!?」
繋がったまま背後から担がれて、成の体が宙に浮いた。グッと体重が掛かり、里弓の雄が深く突き刺さる。
強すぎる快感に、目の前がスパークした。
「ひぃっ―――!!」
そのまま成の体を好き勝手に揺さぶるので、堪らない。
「やめっ!ぁあっ!ばかぁっ!」
覆うものの無くなった口で文句を言うと、里弓に愉快そうに笑われた。
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