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【銀】第13話

猫が鳴く声が近くで聞こえる。 高く甘えたその声は苦手だ。嫌悪する程ではないが、体の奥がもぞもぞするような、落ち着きがない気分にさせられる。 本能に支配された動物の様は、できるだけ直視せずに生きていたい。 それは普通の感覚だろう。 ―――ああ、 それにしても、何故だろう。 気持ちよくて堪らない。 脳みそも血液も、沸騰したように熱くて、体の全部が狂ったように気持ちがいい。 「あぁ、んぁあ、」 あれ?―――と、思う。 今の声は自分の口から出たような気がした。 「ふぁあっ―――、ぁぁっ!?」 柳小路成(やなぎこうじなる)は高く啼きながら、自分の措かれている状況を目にして、愕然となる。 ―――いや、夢だよ。 成はまだ夢を見ているのだろう。でなければ、こんな事は到底受け入れられない。 「り―――、りく、これは、」 「成?」 成が手を突っ張ると、上に被さっていた河埜里弓(かわのりく)が不思議そうに動きを止める。三秒ほど見つめ合い、里弓がゆっくりと体を起こした。 「正気に戻ったか。」 「なんで、ぁっ、うそ―――、里弓兄が入って。」 成のあそこに里弓のあれが入っている。信じられないと目を見開き、成がマジマジと見て固まっていると、里弓が後ろに身を引いた。 「抜くぞ。」 「ふぁ、んんっ、まって、」 ズルッ―――と、抜けていく感覚と共に、体の奥から気持ちよさが這い上がってくる。一旦冷えかけた熱が一気にぶり返し、成は無意識に里弓の体を引き留めた。 「まだ、抜いちゃ、やだっ、」 何を言ってるのだという意識はあるのに、体も口も自分の言うことを全く聞かない。 いかないで―――と、成の体が求める。 里弓が焦った顔で、また後ろへ身を引いた。 「おいこら、正気じゃねえのかよ。」 「ぁあっ、わかんない、けど出たらいや、」 この雄を逃がすまいと成の中が蠢く。里弓の形や大きさをリアルに感じて、その逞しさに恍惚となった。 さっきの様に中の奥まで満たして欲しい。 逃げようとした里弓の腰に足を巻き付けると、成は体を揺らして擦り付けた。 「里弓にぃ、なかに、早くなかを、突いて、」 「くそっ、成。」 ズンッ―――と、里弓の雄で一気に突かれ、成は体を反らせて歓喜の声を上げた。

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