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腹に力を入れて叫んだからか、床に触れるケツからドロっと何かが溢れた。慌てて足の間を見ると白濁液が床を伝っている。これって、精液…? いっぱい出したって、本当だったのか。 愕然としている俺に凌はハハと笑ってその俺の好きだった綺麗な手を伸ばしてきた。何をされるのかと怯える俺を気にせず、グチャと白濁液ごと俺のケツに指を突っ込んできて、悲鳴が上がった。 「やだっ…やめ、ろって!」 「忘れてた。ごめんね?明日お腹痛くなったらちゃんと一緒に居てあげるから」 「ちが…凌!俺の、ンッ…質問に答えろよ!」 「…ああ、なんで菜緒さんと結婚したかって?だから言ったじゃん。カモフラージュだって。俺はカナを正当な理由で囲う理由を手に入れたんだ」 容赦なく中を掻きまわす指を離して欲しくて腕を掴むが、凌の言うクスリとやらが効いているのか力が出ない。ただ添えるだけのような俺の腕を凌は外すこともしなかった。 「お義父さん達にはちゃんと言ってるよ?カナの仕事場あそこからだと結構遠かったでしょ?だから、ここで暮らして貰おうと思いますって。最初は新婚なのにそんな…て言ってたけど菜緒さんがね、奏多と離れて暮らすのは無理!それが駄目なら離婚するって言ってくれて、…菜緒さんってほんと男前だよね。あ、女前?」 何が面白いのか笑い出す凌にほんの少し恐怖を感じる。弟と暮らせないなら離婚する?馬鹿げてる。正気の沙汰じゃない。だって、それって俺…嵌められたってことだろ?姉のカモフラージュ結婚の代わりに、差し出されたようなもんじゃないか。 俺が好きだった、俺のことを好きだと言うこの男に。 「サプライズにしたかったから、今日まで秘密にしてて貰ったんだ。ね?ビックリした?」 悪戯をバラす子供みたいに笑われて、普段の俺ならそんな表情にトキめいた筈だった。 でも、今はなんだか違う感情に支配されている。 グポッと指と共に中の精液が掻き出され足が震えた。 「ほら、出たよ。いつまでもこんなところ居たら風邪引いちゃうね。部屋に戻ろっか。俺たちの愛の巣だよ。…なーんて」 笑えもしない冗談を吐く凌は俺を見降ろして、愛おしそうに切れ長の目を細めた。 「どうしたの?泣くほど嬉しい?…俺も嬉しいよ。もう身内だからね。離れたくても離れられないんだから、今までの分もいっぱい愛し合おうね。…奏多」 果たして、俺が好きだった俺の名を呼ぶ声は、 ――こんなにもドロドロしていただろうか。 end.

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