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番外編 / 出会い01
(2人の出会いのお話です)
燃えるような真っ赤な髪に深紅の瞳。脚長効果なんて関係なく長い足を覆う漆黒が視界先の世界を引き締める。同じ黒で体を隠したマントの裏地から、なんだか艶 かしくツヤのある赤が覗いていた。
ヴァンパイアって本当に居たんだ。
海外映画で見たのなんかよりずっと格好いいじゃないか。
こんな人になら俺の血で良ければいくらでもあげてしまいたくなる。
まるで催眠術。あるいは魔術だ。目が離せない。世界がスローモーションで動いて、周りの音が耳に入って来ない。
緩やかに弧を描いていた唇がゆっくりと開く。犬歯が異常に鋭く、やはり目の前の男はヴァンパイアなのだと確信を持った次の瞬間。
「トリックオアトリート。お菓子持ってない?」
仲の良い友人に「小銭持ってない?」と聞くみたいなノリで話し掛けられた。
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