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アンチ・リビングデッド・アンデッド・キラー/元傭兵×神父
■世界はゾンビに浸食されつつあった。
そんな終末の片隅で、ゾンビに襲われそうになっていたところを隹に助けられた神父の式。
命の恩人。
心から感謝すべきなのだろうが。
「命を助けてやったんだ。処女くらい寄越せ」
……そんなの聞いていない!
三体のゾンビが神父の式に襲い掛かろうとしていた、正にその瞬間。
終末の腐臭を孕んだ重たげな空気に三発の銃声が鳴り響いた。
「ッ……!!」
見事、それぞれ眉間を撃ち抜かれて崩れ落ちていくゾンビ。
しゃがみこんでいた式は震える視界に彼を捉えた。
黒ずくめで重装備、ご丁寧にガスマスクまでつけ、片腕を真っ直ぐに伸ばして斜めに構えられたショットガン。
生温い風にミリタリージャケットの裾が大きく靡いていた。
長身で見るからに強そうな男。
他にも数人、仲間だろうか、似たような出で立ちの者が背後に立っている。
見るからに戦闘能力ナシ、細身のスリム体型で切れ長な双眸がストイックな色気を放つ式の元へ、男はアーミーブーツを踏み鳴らしてやってきた。
「あ……あの……ありがとうございます……」
腰が抜けて立てないでいる式が震える声で礼を言えば。
男はガスマスクを勢いよく外し、世にも鋭い不敵な双眸で式を見、ぞんざいに笑った。
「俺のタイプだ」
えっ?
それは予告もなしに突然始まった。
ゾンビ繁殖。
ゾンビ革命。
街は毎日ゾンビハザード、ゾンビパレード状態。
それでも人々は戦う。
生きるため、愛する人を守るため。
人とゾンビの攻防戦、勝つのはどちらか……。
そんな世界の片隅で式は悲鳴を上げた。
「やめてくださいッ……こんなの聞いてないッ、聞いてないです!」
ジープに乗せられて式が連れてこられた先は、厳重なバリケードとトラップに守られた、街外れに建つ別荘だった。
元はとある富豪の持ち主で、当の富豪は家族とメイドもろともゾンビ化し、それらを一蹴して、今は別の人間が使用している。
「ガタガタ文句を抜かすな、神父、男だろ、腹括れ」
今現在、式を肩に軽々と担いでゴージャスな階段を上っている隹、その仲間の根城となっていた。
隹は元傭兵だった。
銃の扱い、戦闘においてはスペシャリストであり、どんな窮地に追い込まれようと生き抜くスキルを持っている彼は、こんな世界において何とも頼もしい存在……に値するはずなのだが。
「命を助けてやったんだ。処女くらい寄越せ」
如何せん、性格に問題あり。
仲間内でも「外道」「鬼畜」と呼ばれ、自分本位、俺様、仲間がゾンビ化したら即座に無慈悲に死刑執行、というような輩であった。
「隹、神父様を手籠めにするつもり? あんた呪われるわよ?」
「セラ、もうとっくに俺も含めて世界は呪われてる、これ以上の呪いがあるか?」
階下で呆れ返っている仲間のセラ、その兄の繭亡はため息をつく。
こうなるともう誰も隹を止められない。
「嫌です……ッ嫌ですーーーー……ッ!!」
ただ空しく神父の悲鳴が別荘中に木霊するのみ……。
プールを囲むようにしてぐるりと広がる、南国リゾート風に造られた高級感溢れる建物。
その奥の一室、毛足豊かな絨毯の上に脱ぎ捨てられた服と武器の数々。
「いや……ッいや……!」
広い広いベッドの上で紡がれ続ける式の悲鳴。
「も……ッ何回目……もぉ、嫌です……ッ」
これでもかと抉じ開けられた両足。
ベッドに押し倒されるなり全ての服を剥ぎ取られ、聖書を捲ってきた清らかな両手による抵抗などいとも簡単に捻じ伏せられ、隹に……犯された。
「まだ三回目だ、神父」
同じく全裸になっていた隹はうっすら笑う。
細身の神父を嬉々として凌駕する、雄々しく引き締まった肉体。
ちらばる傷跡が男の戦歴を物語る。
「……いや……」
滑らかな肌を上気させて式は隹を拒み続けた。
一休みなど一切ナシ、絶え間なく攻め続けられて声はすっかり嗄れている。
延々と萎えているペニスが哀れを誘う。
二回、式の肉奥で傲慢に精を放っていた隹は、戯れに。
「あっっ……?」
自身の唾液で濡らした利き手で式のペニスを……意外なくらいゆっくり丁寧に愛撫した。
「やッッ……やめてください、私に……触らないで……ッ」
「遠慮するな、神父」
上体を倒し、双方の狭間で神父の性器をじっくりしごきながら、涙に満ちた切れ長な双眸を間近に覗き込んだ。
「そういえば、名前、まだ聞いてなかったな……俺は隹だ、神父、名前は?」
「ううっ……こんなこと……神の道に背いてしまって……ッ罪深い……!」
神父の言葉に隹はさもおかしそうに笑った。
「もっと堕落させてやる」
隹にキスされて式は目を見開かせた。
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