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アンチ・リビングデッド・アンデッド・キラー-2

「神父様、大丈夫?」 「隹には俺達も手を焼いていてな、止められなくてすまなかった」 半日かかった悪夢の同衾がやっと終わり、隹が部屋を去れば、セラと繭亡の兄妹が様子を見に式の元へやってきた。 隹のブカブカなシャツを着、後はすっぽんぽん、ブランケットに包まった式は親切な兄妹に首を左右に力なく振ってみせた。 「貴方がたに罪はありません……あの、私の服は……?」 「あ。これ? ゾンビの血がくっついてるけど着る?」 「……」 兄妹が式を気遣っているところへ風呂上がりの隹が戻ってきた。 「兄妹こぞって神父の見舞いか。それとも3Pのお誘いか?」 胸板、腹筋、戦う者として鍛え抜かれた即戦力に漲る上半身を晒していた隹は。 「わ……!?」 ブランケットごと式を抱き上げた。 「今度はお前を洗ってやる、神父」 「ちょっと待って……っぇぇぇ……な、何かお尻からでて……ッいやーーー……ッ!」 大股で部屋を去った隹、残された兄妹は顔を見合わせた。 「「気の毒に、神父様」」 「あっあっ……そんな……掻き回さないでくださぃ……ッ」 長く筋張った指二本が式の尻孔をぬぷぬぷと行き来する。 無駄に広いガラス張りのバスルーム、半透明の仕切りに縋りつく神父に密着した隹は全身濡れそぼった彼の耳元で囁きかけた。 「ちゃんと掻き出さねぇと……孕むだろ……?」 「ッ……私は男ですッ、そんなッ、冒涜ッ、あ……ん……!」 前立腺をグリグリと擦り上げられて式は喉を反らした。 「神父も感じるんだな」 「か、感じてなんか……そんなこと……ッ」 「本当に? 感じてないか? おら、こういうのは……どうだよ?」 「~~~ッ……だめっっ……ソコぉ……変……っ」 私が私でなくなるような。 ああ、神よ、お赦しください。 どうか私に道をお示しください……この男に惑わされない、真っ当な道を……。 「お祈りの時間か、神父」 跪いて頭を垂れ、両手を組んでいた式は隹をシカトした。 黒ずくめの服、ナイフやらショットガンやら手榴弾やら、武器をたんまり装備していた隹はフンと笑う。 「それなら俺のために祈ってくれ」 「……?」 「これから食糧調達だ。あんたの元に戻ってこれるよう、頼む」 ……知りません。 ……私のことメチャクチャにしておきながら、図々しい。 神父らしからぬキレ気味な式は隹に祈りなど捧げなかった。 そして。 「遅いな」 「出発して二日経過。普通ならその日の内に帰ってくるのに」 帰ってこない隹。 サイズの合う服がないため、相変わらず上にシャツ一枚、ブランケットを頭からかぶって過ごしていた式は昨日からずっと表情を曇らせていた。 私が一言でも祈ってさえいれば……。 ……べ、別に特別な感情じゃない、人は誰もが隣人、心配するのは当然のこと。 「神父様、元気ないわ」 「隹のことでご心労かけさせてすまない」 「べ……ッ別にあんな男、心配してなどッ……あ、違う……ええ、そうですね……心配……ですね……はぁ……」 様子がおかしい神父に顔を見合わせる兄と妹。 結局、その日も隹は別荘に帰らなかった。 広い広いベッドで横向きに丸まって目を閉じた式。 眠れない。 ずっと心がざわめいて安らぐことができない。 あの男がいなければ私はゾンビに殺されていた。 もしかすると、それが、神の示す道だった? あのとき、私が。 そうすれば、あの男は。 「……隹……きっと……帰ってきますよね……」 「ただいま、神父」 心臓が総毛立つ思いで式が目を開ければ。 黒ずくめで重装備の出で立ちをしたままの隹がいつの間にベッド脇に立って自分を覗き込んでいた。 「!!!???」 「ゾンビじゃないぞ」 「ななな、い、一体いつ……いつ帰られたんですかッ?」 「たった今だ。驚かそうと思ってこっそり入ってきた」 「あなたバカですかッッ」 食糧調達に行った街でゾンビの大行進に遭遇し、建物の片隅でやり過ごし、時間をロスした隹。 「今、俺を名前で呼んだか?」 「ッ……呼んでませんッ……ちょ、何ですか、やめ……やめてくださ……っ」 ブーツを履いたままベッドにギシリと乗り上がるなり、赤面して嫌がる式を掻き抱いて、隹は言う。 「あんたとセックスすることばかり考えてた」 「な……何を……ンっ……あ……っ」 「絶対に生き抜いて、またあんたを喘がせてやるって。そればかり考えていた」 黒の革手袋を片方だけ外し、全身に掌を辿らせて、求めていた体温を心行くまで確かめる。 「こんなにも完璧な理想、生まれて初めてだ、神父」 「……、……です」 「うん?」 「……私の名は……式です、隹」 どうしよう、熱い、体が、とても。 「あ……ぁ、だめ……っあっ……い、や……!」 ベッドから下ろされて、ベッドにしがみつかされて、後ろから。 限界まで膨れ育ったペニスで肉奥を蹂躙されて式はぎゅっとシーツを握りしめた。 突かれて、擦り上げられ、抉られて、穿たれ、打ちつけられて。 逞しい脈動を肉伝いに感じて彼の息遣いを痛感する。 「あ……っあ……っ隹……隹……っ」 ベッドに顔を伏せ、突かれる度に全身を揺らめかせて甘い声を迸らせる式に隹は興奮が止まらない。 「あ……っ?」 一端、式から引き抜くと、ベッドに仰向けに押し倒し、またすぐに捻じ込んだ。 薄闇に艶めく唇に深くキスしながら。 「ん……ぅ……!」 ガチャガチャと装備を小うるさく鳴らす隹に絡みついた式の足。 両腕もぎこちなく広い肩に纏わりついて怖々と抱きしめる。 式のぎこちない抱擁に隹は滾る。 柔らかな肉奥に硬く育ったペニスを一頻り叩きつけた。 「んっ、っ、ン、ッ、ンンっ、ふ、っ」 何度も角度を変えては唇奥まで隈なく貪って。 息苦しそうに表情を歪め、睫毛を痙攣させている式を薄目がちに見つめながら。 その最奥で絶頂の雫を惜し気もなく放った。 「あっっっ」 「は……ッ……」 「ッ……や……っ、奥に……すごい……っあ、まだ……隹のが、いっぱい……」 執拗に腰を振り、最後の一滴までしっかり注ぎ込む。 奥の奥まで自身の欠片で満たす。 「あ、ン、あ、あ……っ……あ……はぁ……」 微痙攣を繰り返す仮膣から隹のペニスが糸を引いて引き抜かれた。 くたりと脱力した式、虚脱しかかっている扇情的な様に隹は見惚れ、そして。 床に跪くなり、虚空に隆々と反っていた式のペニスを、ぱくりと。 「ッッッ……隹、なにやって、ッ」 抵抗の念も手放すまでに思いきり、容赦なく、強く強く吸い上げた。 「あーーーーッッッ……だめ、です、こんなッ……こんなこと……わたし、だめ……ッだめなのに……ッ……あ、あ、あ、あ、あ……ッッ、ッッ……!!!!」 成す術もなくビクビクと仰け反って、式は、隹の唇に堕落した。 「い、やッ……もぉ、はいらな……ッあっ……あっ……!」 「俺とあんたのこども……きっと多方面に渡って敵ナシ、無敵だぞ、式?」 「ば……ばかぁ……隹のばか……っ」 堕落の味は鋭く不敵な蜜の味。

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