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兄弟偏愛シンドローム-4
式の雄膣が隹のペニスで満杯になる。
「んっんっ……ぅっぅっ……ぅ」
好きなだけキスしながら隹は式のナカを掻き回す。
立ったまま、互いに制服を乱して、向かい合って。
壁に背中を預けた弟の片足を持ち上げ、腰と腰を密着させ、今にも蕩けそうな肉孔に隆々と育ったペニスを出し入れさせる。
「ン、ン、ンっ」
クチュクチュと音の鳴る口内。
唾液すら甘く感じる。
弟の全てが甘い。
「ああッッ」
真下から抉るように荒々しく突いてやれば喉を反らし、壁に頻りに背中を擦らせて式は身悶えた。
「ぁっ、ぁっ、にいさっ、ぁっ、ぁっ」
下顎をよだれでびしょびしょに濡らして切なそうに喘ぐ式。
隹は後少しで鼻先が触れ合いそうな距離から見惚れた。
切れ長な双眸を縁取る睫毛の一本一本、愛してる。
喉骨も鎖骨も、骨も血も肉も、何もかも。
「や、ぁ……っおなか……熱い……っ」
目尻から溢れ落ちた涙を美味しそうに舐めとり、また口づけて、滾り続けるペニスで雄膣を貫いた。
もう片方の足も担いで、壁と自分の体で挟み込み、腰を波打たせる。
うねり蠢く肉奥にはち切れんばかりに膨張した亀頭を乱暴に擦り当てる。
「あ、あ、あ……兄さんの、おれのなか、に……っ」
「なぁ、式……」
「毎日、こんな……ッだされたら、おれ……ぁぅぅッ」
「受精しろ」
「に、い、さ、ん」
弟を抱き上げた隹は一番近い寝室へ移動した。
ベッドに式を仰向けにすると、床を踏みしめ、じっとり満遍なく熱せられた肉壺底へ冷めやらない熱源を叩きつけた。
「あーーーー……ッッッ」
喉笛に咬みつかれて息絶える寸前の獣のように大きく仰け反り、式は、達した。
制服シャツとセーターに精液をぶちまけた。
最奥を突き続ける隹のペニスをきつく締めつけて兄の絶頂を誘った。
「は……ッッ」
誘われるがまま隹も。
特別な器官を持つ弟の雄膣で射精した。
汗ばむ太腿に五指を食い込ませ、低く唸り、式に存分に種付けした。
「ぅぁっ、ぁ……っぁ……っぁ……っ」
どくん、どくん、惜し気もなく注ぎ込まれて式は身悶える。
夕日の差すベッドの上で大きく胸を上下させ、兄の種を植えつけられて、咽び泣いた。
「ぅぅぅ……っいや……だ……」
本気で涙したところで隹の独占欲は止まらない。
貪欲な性に支配されて未だ硬く勃起している弟のペニスを無造作に愛撫する。
尿道口からびゅくびゅくと白濁泡を洩らして快楽に狂いそうになっている式を鋭く不敵な眼で愛しげに見守った。
夜の帳が下りて薄暗い寝室に荒々しく鳴らされる式の肌。
「はーーッはーーッはーーッ」
手繰り寄せたシーツに爪を立てて式は生温い息を吐き散らす。
掴まれた腰だけが空中に浮いている。
濡れそぼった肉孔を傲慢極まりないペニスが攻め立てる。
溢れ出、とろとろと滴り落ちる精液を補うように、次の射精に向けてひたすら動く。
溶ける。
沸騰して、ぐずぐずになって、爛れていく。
孕みたくないのに。
孕みたくなる。
怖いのに。
隹兄さんのこどもが欲しくなる……。
発情期のまやかしに操られる式、それに乗じて種付けを繰り返す隹。
ふやけそうなまでに精液で泡立つ、物狂おしい締めつけを保つ弟の雄膣をペニスで延々と独り占めした。
「あっっっ」
両腕を背後へ引っ張り上げられて上体が浮いた。
最奥に狙いをつけて杭が振り下ろされる。
幾度となく。
「あッッあッッあッッ」
式は射精を伴わない絶頂に至った。
悩ましげに膨れ上がったペニスを虚空でビクビクと痙攣させた。
隹はそんな式の後孔最奥で再び。
一向に衰えない腰遣いで式の尻を執拗に打ち鳴らした末に勢いよく精液を注ぎ込んだ。
「ッ、ッッ、ッ、ッ、ッッ!!」
「ッ……そろそろ膨れてきたか、お前の腹」
「あ、ああ、あああ、あ、あ」
「でも、まだ、足りないよな?」
全身がしんなりと湿り渡った、呼吸を忘れそうになっている式に頬擦りし、隹は笑う。
ダイニングテーブルに並べられた、たくさんのヨーグルトと瑞々しい果実。
「式、食えよ」
廊下の明かりだけが点されていて、薄暗いリビングの一部がうっすら照らし出されている。
「ン……ン……」
「どれがいい?」
シーツに包まった式を後ろ抱きにして食卓に着いた隹。
スプーンではなく、自分の指でヨーグルトを掬い、式に餌付けしている。
「ほら、こっちも」
イチゴを一つ、半分齧らせて、残りの半分は自分が食べる。
食事の覚束ない式が口元を汚せばすかさず唇で拭ってやる。
「ん、ぷ」
その延長で悪戯にキスしたりもした。
悪戯のつもりが、ヨーグルトと果実の味がする唇に夢中になり、嫌がって仰け反ったり顔を背けようとしても知らんぷり、気が済むまで耽溺した。
そうして口移しでミネラルウォーターを飲ませる。
隹はダークグレーの制服シャツを腕捲りし、式は素肌にシーツを纏い、不埒な食事を続ける兄弟二人。
「体、大事にしないとな、式」
シーツの中にまで潜り込んだ隹の両手が式の腹を慈しむように撫で上げた。
凶器なる言葉の刃に心を切り裂かれそうになる。
もう逃げられないのか。
いつの日か俺は兄さんの子を宿すのだろうか。
あるべき理性を取り戻して人間らしく葛藤していたのもほんの束の間。
隹の奉仕に儚くも遠ざかっていく。
「あ……隹兄さん……」
自分の指先にこびりついていた甘く柔らかな残骸を式の熱源に絡ませ、跪いた隹は、大胆に咀嚼した。
深々と喉奥まで招き入れて啜り上げる。
病的なまでの疼きに巣食われたペニスを飽きるまで味わう。
「あぅっ……んっ……だめ、にいさん……いや……嫌だ、いや……」
「遠慮するなよ、式」
甘い毒に犯されゆく式に隹は囁きかけた。
「兄弟だろ?」
食卓で兄に食される弟。
禁じられたツガイの子が宿るまで、もう少し。
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