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Thrill/上官×部下

■甘い悲鳴を幕開けにして始まる弱肉強食。 「……少佐、もっと……」 お前は俺のもの。 お前のためなら肉欲の虜囚と成り果てても構わない、かも、な。 「少佐殿……ッ、おやめ下さい」 式は絶対服従すべき上官に対し決して口にしてはならない言葉を吐いた。 「貴様、俺に楯突くのか?」 案の定、上官である隹少佐が鋭い眼差しを投げつけてきた。 水晶の色に近い眼が冴え冴えとした光を放っている。 ハーフアップに縛られた長い髪は月と同じ色をし、見るからに逞しく精悍な色白の男だった。 それでも、式は規律違反にも受け取れる言葉をさも苦しげに繰り返した。 「あの、お願いですから……あ、もぉ……ッ、駄目です、おやめ下さい……ッ」 「遠慮する必要はない、式」 式の両足の間に腰を据え、彼の力んだ肉茎に大胆な舌遣いを披露していた隹は微かに笑った。 「痩せ我慢がどれだけ続くか試してみるか」 部屋に招かれた時点で懸念はあった。 ミリタリージャケットを雑に羽織った普段の服装とはまるで違う、美しい黒の軍服を着こなした隹につい目が眩んだ自分を、今、式は猛烈に罵倒したい気分だった。 ベッドに押し倒され、口づけられ、早々と取り出された自分のものはすでに硬くなっていて。 禁欲を強いる軍隊生活が続いていた故の発情ぶりであった……。 「ぁ、ぁ……」 隹の頭が音を立てて上下に激しく動いた。 歯列の掠める感覚に背筋が粟立ち、どうしても声が洩れる。 尖らされた舌先で鈴口や裏筋を擽られると自制心が大きく揺れた。 二つの膨らみまで両手で揉み込まれて、唾液が棹にしとどに絡まり、溢れ出る先走りと交わる。 尿道を抉るようにしつこく刺激されて式は仰け反った。 はだけたシャツの狭間に覗く肌が艶やかに上気している。 胸の突起は硬く張り詰めて薄赤い色彩を際立たせ、捩れた腹筋がもどかしげに痙攣していた。 とうとう式は我慢できずに隹の口腔へ放精した。 濃い白濁を口内に受け止めた隹は立ち上がり、朦朧としている式に早々と口づける。 自分が放った雫を舌伝いに流し込まれて式は眉根を寄せた。 止め処なく滴るようなキスに窒息しそうになって彼は何度も呻吟した。 「お前は本当に可愛いな」と、唇をやっと離した隹は式を間近に見下ろして言った。 「繭亡もお前に気がある」 「……そ、そのような事は」 「身に覚えがあるくせに知らないフリをするのは馬鹿にしているのと同じだ。貴様、俺を馬鹿にしているのか?」 「少佐殿……」 一段と恐縮する式に隹ははしたない愛撫を続けながら質問を続けた。 「こんな風に、ここを触られた事は?」 脱げかけたシャツの内側に筋張った手が入り込んで胸の突起を甘く引っ掻く。 式は肩を震わせて首を左右に振った。 「指先で弄ばれて、声を洩らした事もないと?」 「ありま……せん……ッ」 「怪しいな、もう硬くしているじゃないか。お前は前からこんなに敏感だったか?」 「ぁ……ン」 親指と人差し指に挟み込まれて強めに摩擦され、うっすらと開かれた式の口から色めいた声音が零れた。 歯の下に覗く舌は官能的な蠢きを見せ始めており、溜まった唾液をふんだんに纏わりつかせて嫣然と艶めいていた。 「いい顔つきになってきたな」 淡い色合いの尖りを指先でそんざいに捏ね繰り回しつつ、頭を低くして、隹は片方の突起に唇を寄せた。 「そんな顔をして、あいつを誘った事があるんじゃないのか」 伸ばした舌先で縁をそっと辿る。 式はもどかしげに半身を撓らせて、切れ切れに否定した。 「本当か」 「本当に……ッ、誓ってありません、ッ、一度、も」 被さってきた唇で締めつけられ、淫らに舐め解されて、式は双眸をきつく閉ざした。 達したばかりの下肢のものが新たな欲情を来たして火照りを帯びかけている。 火のついた欲望を鎮めるのはもう至難の技であり、このまま、肉欲の言いなりとなって無様に明け透けに屈したいという邪な気持ちまで心の隅に湧いてきた。 汗ばむ腹筋を撫で、再び力み始めた肉茎を戯れに素通りし、隹は双丘の中心に手を差し入れた。 「……よく締まっているな。だが、実際はどうだ? 繭亡の指に貫かれた事があるんだろう」 中指が肉の狭間を抉じ開けて奥へ入ってきた。 明らかな違和感に式は唇を噛む。 内壁を擦られる度に息を詰まらせ、病人じみた仕草で首を横に振った。 「そんな事……ぁ、ぁ……ッ、ああ、あッ」 「あるんだろう?」 「ありません、ないです、あ、あッ」 もう一本指が加えられ、短い間隔で抜き差しが行われた。 肉茎に漲る力はさらに増し、熱せられて悶える式に隹は愉悦した。 下顎に流れた唾液を舐め上げた後、上官は部下の耳元で囁いた。 「どうだ、そろそろ本当の事を言う気になったか。俺がほしいか、式」 肉の内を抉る指が三本となった。 式は薄赤く染まった全身を痙攣させて喘ぎ、隹にしがみついて心から願った。 「ほしい……です……ッ」

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