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続・ねこになりたくない-4
発情期の猫又は中毒性が高すぎる劇薬に相当した。
「あぅ、にゃぅ……隹ぃ……」
「もう一回」
「あっ……ん……ふにゃぁ……みゃぅぅぅぅぅ……っ」
すでに正午を回っていた。
いつも以上に多感な式。
ベッドから手放しがたく、会社をズル休みした隹は不健全極まりない放埓な休日を満喫していた。
パーカーを身につけたままの式をうつ伏せにし、ぴたりと背中に密着し、不規則に律動する。
徐々に解しつつある蜜孔の奥をペニスで改めてじっくり拡げる。
「んにゃっ……にゃぁ……ごはん……ごはん、まだ……?」
隹は笑った。
火照りを持て余す華奢な肢体の下に潜らせていた両手、ジッパーが上げられたままのパーカーをたくし上げて胸の突起を爪弾き、湿り続ける熱源の先端を擦り立てた。
「ふにゃぁっ」
「食事なら今やってるだろ、式」
「これちがぅっ、ごはんじゃなぃっ」
「ん……お前が鳴くと締まる」
「ッ……そこぉ……変……」
「そうだな。俺もおかしくなりそうだ……」
ほんのり色づく乳首を指の腹に挟み込み、細やかに蹂躙し、屹立した熱源をもったいぶった手つきでしごく。
ざわつく蜜壺。
肉の壁がペニスに絡みつき、止め処ない興奮を招き寄せる。
熱源から双球下へ利き手を滑り込ませ、膨らみ切った肉芽をおもむろに撫で上げれば、搾り上げられるような締めつけに抱かれた。
「あーーーー……っ」
黒猫耳まで引き攣らせて式は感極まった。
繰り返される無射精絶頂。
蕩けそうになる蜜孔と理性。
初めての発情期に戸惑う心と裏腹に体は受け入れきって隹をもっと奥深くへ導いてしまう。
「ッ……」
「うにゃっ、ぅみゃぁ……っ……だめ、こんな奥、きたら……」
「お前がこんな奥まで招いてるんだろ……恐ろしくキツイな、まだまだ躾け足りないか」
「あ……っ……?」
涙目の猫又はごろんと引っ繰り返された。
発情期でもないのに延々と滾り続けている隹と至近距離で目が合い、切れ長な双眸まで熱せられたような気がした。
隹も、ずっと、あつい。
おれのなかで息してる。
不規則だった律動が最奥をしっかり突いてくる激しいピストンに変わり、式は目の前の肩に縋りついた。
蜜孔奥でものものしげに怒張したペニスに体のみならず心までとろとろになってくる。
彼の絶頂を予感して、身震いし、なだらかな背中に爪を立てた。
「式……ッ」
熱いため息混じりに耳元近くで呼号されて鼓膜まで溶けるかと思った。
胎底で著しく跳ね、彼の欠片に蜜孔を初めて征服されると、これまでに感じた覚えのない幸福感に全身が満たされた……。
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